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関西テレビ 「スーパーニュースアンカー」(2009年4月6日)

急増する「資格」ビジネス

街で「資格をもっていますか?」と尋ねると、多くの人が何かしらの資格を持っていた。
就職やキャリアアップ、また趣味を極めるものとして人気の資格。その数は年々増加し、今ではなんと3,000種類にも昇る。
今女性に人気なのが「野菜ソムリエ」受講料は安くないが、資格取得者が2万人を超えるなど、毎月数百名が受けるなど盛況ぶりが続いている。

野菜ソムリエの人気の背景には、協力会社が活躍の場を提供するなど資格の価値を高めている。資格を作る場合は、「理念」だけではだめではやはり「実用」が伴っていないと広がっていかない。

国家資格と民間資格。2つの資格の存在理由は?

資格には、医師や行政書士などの国家資格と簿記検定やTOEIC等の民間資格がある。民間資格は、届け出さえすれば誰でもいわば「勝手に」作ることができる。中には似たような資格で、国家資格と民間資格が混在しているものもある。
例えば、ファイナンシャルプランナーであれば、国家資格の「2級FP技能士」の資格と民間資格の「AFP」は、試験が共通。民間資格上級の「CFP」に合格すれば、国家資格の「1級FP技能士」の学科試験は免除される。
2つ資格が存在する必要があるのか、聞いてみた。
厚生労働省によれば、AFP、CFPについてはあくまでも民間のもの。国が技能検定をしているので「民間資格はやってくれるな」ということではなく、紛らわしいものになっていたら、違いがわかるように説明してください、という指導にしている、という。
民間資格を維持にするには会費(お金)が必要だ。

「“管理調理師”は公的な資格ではありません」

数ある資格の中には、自治体が注意を呼び掛けているものもある。その1つが「管理調理師」だ。
調理師は国家資格だが、管理調理師は民間資格。しかし業者が作成した案内DVDでは「栄養士に管理栄養士、薬剤師に管理薬剤師。様々な資格が定められています」等と、他の資格名をたくさん引き合いに出して、“管理栄養士”があたかも国家資格であるかような説明がされていた。
調理師法第8条では「調理師でなければ、調理師またはこれに紛らわしい名称を用いてはならない」としている。このようなDVDは抵触する恐れがある。
悪質商法問題に詳しく、消費者保護にずっと携わってきた行政書士エクステージ総合法務事務の水口結貴行政書士に聞いた。

水口結貴行政書士によれば、このような紛らわしい資格名は国家資格と似た名前の場合が多い、という。さらに団体名についても「●●協会」、「●●振興会」など、さも公共団体であるかのような名称を使って、信頼性を高めて消費者を勘違いさせている、と教えてくれた。

資格の発行団体の住所地(大阪市内)を訪ねてみた。
しかし出てきた住人は「うちは全く関係ない」という。記載された住所に事務所は存在しなかった。

そこで、企画の発行団体に電話をしてみると「資格ではなく認定講座だから、認定書を受けた方はいる」との回答。受けた人の人数を聞いたが、教えてくれなかった。続けて、県が「調理師法と抵触する」と注意喚起をしている、と告げると「そんなことは知っている」と言い、続けて「これが法に触れるなら、商標登録もできないはずでしょう」、「こちらは、印刷物にも記入して“やってもいい”ということになっている」と言い張った。
「現在、関係ない住所を名乗っているが…」と言うと、相手は突然「関係ないことはない!」と激高した。

そんな中、資格を強化する第三者機関が名乗りを上げた。それは「資格標準化機構」だ。各種検定試験や資格試験の評価を行うとうたっているが…。
代表理事はなんと、問題となった「漢検」の大久保 昇理事長。実は、この法人は大久保理事長の肝いりで作られ、漢検協会から2億円が出資されているのだ。問題を指摘された団体の理事長が他の資格を審査することが適切なのか?
取材を申し込んだところ「文書でなら」と回答が寄せられた。それによれば、活動は当初予定通りに進める、役員人事についてコメントは差し控えたい、ということだった。

もちろん、民間資格の中にもちゃんとやっている所は多くある。一方、「就職や仕事に有利になる」とうたっておきながら、実際には全く役に立たない、というものをある。

「肩書き社会」の中、名称独占、業務独占の資格以外は、どんな資格も「何となく」人の弱みにつけこむ所がある。また、日本人は知的好奇心が高いので、そこを擽られるのだろう。資格を発行する側も、「●●協会」などと名乗っているのであれば、資格を発行することで、その人の人生が輝くものになるように、考えてもらいたい。

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レインボータウンFM 「ソウルミュージックが好き」(2009年7月11日)

クーリングオフ制度について

このコーナーでは、その業界で活躍されている方をゲストにお招きして、職種にまつわる話を聞いて、社会性を磨こう!というコーナーです。

今回のゲストは、エクステージ総合法務事務所 行政書士の水口結貴さんです。

水口結貴行政書士のご紹介です。
東京生まれで、慶応大学を卒業し行政書士資格を取得され、現在は行政書士エクステージ総合法務事務所代表、エクステージ株式会社の代表をされています。
消費者問題の解決を得意として活躍されており、テレビ番組や新聞、雑誌などマスコミからの取材も多数受けておられます。
また、経営コンサルタントとして企業の業績向上と人材育成にも注力されています。

まず、行政書士という仕事はどのようなものなのでしょうか?
水口結貴行政書士
-法律の仕事ですね。例えば、会社を作りたいや営業許可など。また個人の方のサポートもしています。例えば、友人にお金を貸したけど返ってこない、や相続など。幅広くやっています。

なるほど。
水口結貴行政書士は、悪徳商法問題の第一人者として、これまで4000人以上の悪徳商法被害者を救済されてきました。
悪徳商法とは、例えばどんなものがあるのでしょうか?

水口結貴行政書士
-例えば「内職商法」があります。
自宅で副業を始めたい、という人に「副業ができますよ」と持ち掛けて高い教材を買わせる。しかし仕事は回ってこない、もしくは仕事の報酬が支払われない、などということがあります。

そんなこともあるのですね。本当に悪徳ですね。
お金が欲しい人から、お金を取ってしまうのですね。

水口結貴行政書士
-その他、皆さんも経験があるかもしれませんが、街角で声をかけられて、そのまま連れて行かれて契約させられる、というキャッチセールスなどもあります。

ああ、テレビで見たことがあります。
「手相を見ますよ」と言われて、そのまま連れて行かれて、お守り等を大金を出して買わされていました。

水口結貴行政書士
-はい、それもありますね。

お仕事の内容としては、どんなことになるのでしょうか?

水口結貴行政書士
-そうですね。書類を作ることが中心です。内容証明郵便を作ることも多いです。

そうした書類を作ると、悪徳商法の業者に「勝てる」というか、支払をしなくてもよくなるのでしょうか?

水口結貴行政書士
-そうですね、「解約したい」という意思表示(“クーリングオフ”と言いますが)を、きちんと内容証明郵便で送ると、効果がしっかりします。

私は、地方の出身なのでよく声をかけられます。絵を販売する会社に連れて行かれたこともあるし…。

水口結貴行政書士
-そう、キョロキョロしているとよく声をかけられますね。

私達は20代なんですが、この年代が注意しないといけない悪徳商法は、どんなものがありますか?

水口結貴行政書士
-そうですね。若い女性の方であれば、エステ等は気を付けた方がいいですね。

なるほど。勧誘も結構ありますよね。
よく、街で配っているフリーペーパーに「今なら、おためし0円」とか「無料体験」とかありますが、見ると行きたくなります。

水口結貴行政書士
-もちろん、大部分はまともな業者だと思います。
しかし、中には一部の業者が「無料体験」ということをエサに呼んで、エステでは当然、荷物も預ける、洋服も着替えてガウンになりますよね、そういう状況では「逃げられない」。
そんな中で、ガンガン勧誘をして、もっと高いコースを迫ってくる、ということもあるようです。

断ったら、怖いお兄さんが出てくる、ということもあるのでしょうか?

水口結貴行政書士
-いや、そういうことではなく、裸同然で、施術内容によっては器具なども付けられているので、買わないとどうしようもない、という状況なんですね。

…それは、怖いですね。確かに「逃げられない」ですね。
そんな状況で「契約せざるを得ない」ことになって、「契約書を書いてしまった」ら、どうなるのでしょうか?

水口結貴行政書士
-そんな場合でも、8日間以内なら「クーリングオフ」ができます。

どんな契約でも、クーリングオフができるのでしょうか?

水口結貴行政書士
-いや、商品・契約内容によって、クーリングオフができるものとできないものがあります。ただ、キャッチセールスなど相手(業者)側から近づいてきたものは、大抵がクーリングオフできます。
エステであれば「中途解約」ができます。

なるほど。
でも「クーリングオフ」は聞いたことがありますが、どうやってしたらいいのかが、わかりません。どうすればいいのでしょうか?

水口結貴行政書士
-はい、簡単に言うと「解約をしたい」ということを相手(業者)側に伝えることです。しかし、気を付けるポイントが1つあります。
それは、絶対に「電話をしない」ということです。

あ、そうなんですか?

水口結貴行政書士
-はい。電話をすると業者から「何でですか?」と理由を聞かれたり、「もっと契約してくださいよ」と言われたりします。
そこで、ハガキでもいいので必ず「手紙を出す」ことです。これがとても大切です。

なるほど、そうなんですね。
ただ、書いても「そんなの届いていませんよ」等と言われて、実は相手にハガキを捨てられてしまう、ということはないのでしょうか?

水口結貴行政書士
-そうですね、ですから配達記録など、きちんと日付の記録が残る方法で送る、ということが大切です。

なるほど、勉強になりました。ありがとうございました。
もしも、何かあったら水口結貴先生にお願いします。

水口結貴行政書士
-いいえ、何もないのが一番ですよ。

水口結貴行政書士、本日はどうもありがとうございました。

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TBSラジオ「森本毅郎スタンバイ!」(2009年12月8日)

「現場にアタック」コーナー

今日は「悪徳商法」について、調べてきました。
先週、大阪の相談員が相談件数が多すぎて困り、受話器を上げっぱなしにして、「話中である」と偽装した事件がありました。
大阪の消費者センターを擁護するつもりはありませんが、実際に消費者問題の相談は、増えているのです。
そこで、今日は「悪徳商法の危険性と対処法」について専門家の方にお話をうかがってきました。
お話をうかがったのは、エクステージ総合法務事務所の代表、水口結貴行政書士です。
まずは、どれだけ悪徳商法が身近にあるのか「今、そこにある危機」について聞いてきました。

水口結貴行政書士
-若い人の場合、やはりインターネットを通じての悪徳商法が目立っています。
逆に、高齢の方、年配の方ですと訪問販売や電話がかかってきて勧誘される。または、新聞広告などの公告物を見たことが被害を受けるきっかけになるなど、年代によって違いがあります。

誰もが「騙されないように」と気を付けているはずですが、やはり、ちょっとした「心の隙」を狙われてしまう、ということがあります。
例えば「寂しい」という気持ちや、経済状況の問題から「お金を稼ぎたい」という欲であったり。
そうした気持ちをうまく煽って契約させる。
そうした口八丁手八丁のプロが、いわゆる「悪徳商法」ですから、気を付けていても、何か拍子にグラッときてしまうんですね。

(森本毅郎)すごく、うなずいているじゃないですか。
(女性パーソナリティー)私、危ないな~。「欲」か…。
(コーナー担当 男性パーソナリティー)「心の隙」ですよ。最近、「寂しい」とかはないですか? 毅郎さんも「欲」をかいてしまっては…。
(森本毅郎)いやぁ、あるね。
(コーナー担当 男性パーソナリティー)(悪徳商法に)引っかかる可能性が十分、ありますよ。
実は今、駅売りの新聞やコンビニにある雑誌の広告、こうした物にも悪徳商法が入ってきているんです。
(森本毅郎)あ、そうなんだ。
(コーナー担当 男性パーソナリティー)さらに、インターネットの発達で、騙す側も騙される側も身近な存在になってきています。
どんな手口があるのか?も、水口結貴行政書士に聞いてきました。

水口結貴行政書士
-例えば、比較的若い方が被害を受けるパターンですと「情報商材」というものがあります。小冊子であったり、何かのマニュアルの販売です。
「このようにやると、副業になります、収入を得ることができます」という内容が乗っているんですね。
購入して、その通りにやれば誰でも簡単に「月に100万円を稼ぐことができる」とか。同じような物に、パチンコや競馬などのギャンブル関係の「攻略情報」もあります。
「ノウハウを教えるので、代わりに幾ら払ってください」というものです。
こうした「情報商材」が非常に増えています。

高齢者の方の場合は、「訪問販売」というものがあり、布団の販売も相変わらず多いです。「布団の点検をさせてください」と言って家に入り、布団を見て「クリーニングしましょうか」、「その間は、これを使ってください」と新しい物を置いていって、無理やり購入させてしまう、などのやり方もあります。

(森本毅郎)布団なんて、まだやっぱり引っかかるんだね。
(コーナー担当 男性パーソナリティー)オーソドックスな手法から、最先端の手法まであるようです。
例えば、「アメリカンエキスプレスのブラックカードの入手方法を教えます。代わりにお金ください」というものなど。

(悪質商法が狙う)年齢層も「若いから、大丈夫」というものでもなく、携帯電話やインターネット通じて、悪徳商法に引っかかる若者も多いようです。
また、最近は小学生の親からの相談もある、ということです。

自衛の方法として、「インターネットで(業者名などを)検索する」という方法があります。すると、被害者の体験談や騙していた側からの投稿、というものもあるようです。
例えば、「悪徳商法の被害者が語る」ページを見てみました。
そこには「勝手に家に上がりこんで、『白アリがいる。このままでは家が傾く』と言われて、勝手に駆除用の扇風機を「これでもか」という位、床下に付けられてしまった高齢者の方とか。
お値段は何と、700万円。

逆に「悪徳商法の撃退法」という、悪徳商法撃退に成功した例が載っているページもありました。
そこには「先物取引」について「絶対に儲かりますよ」と業者に言われたら、「じゃあ、なんであんたがやらないの?」と切り返してみた、「ローンも組めますよ」と言われたら「じゃあ、月々100円の3万回払でいいか?」と言ったら業者が電話を切った、「宗教? わからないー」と無知を装うと相手が電話を切った、などの例がありました。

ただ、インターネットはこうした解決方法も書いてあれば、一方で悪徳商法の「巣」でもあるので、やはり心に「隙」があると付け込んでくるぞ、と注意していきたいですね。

そんな立場の弱い消費者を守るために「特定商取引法」という法律があります。この法律は、訪問販売、通信販売、電話勧誘販売などを規制するもので、この12月に改正されたばかり、です。
どんな点が改正されたのか、これも水口結貴行政書士にうかがってきました。

水口結貴行政書士
-これまで(法律)に、たくさん「抜け穴」があった、それを業者が突いてきた。
それを防いでいこう、ということで改正が行われました。
大きく改正された点だけを簡単に言うと、これまで法律で決められた商品、決められたサービスだけがクーリングオフの対象だったものが、原則「すべての商品、サービス」がクーリングオフの対象になりました。

次に訪問販売について、「もう、これからは契約しません」と消費者が言った場合、それ以上、勧誘をすることが禁止されました。また、大量に物を買いこみさせてはいけない、など訪問販売について規制が厳しくなりました。

3番目には、クレジットに関する規制が厳しくなりました。そして、インターネットの取引についても「返品」が加わりました。大きな所では、この4点になります。

(森本毅郎)大分、改正はされたんだね。

(コーナー担当 男性パーソナリティー)かなり、厳しくなったということでした。補足で加えますと、クレジット業者に対して「支払能力の調査」を義務付け、支払能力を超える与信を禁止しました。
また、訪問販売について「要らない」という意思表示を消費者がした場合は、それ以上つきまとったり、しつこく「要りませんか?」と勧誘することを禁止しました。

相当、厳しくはなっているのですが、悪い奴というのは「頭がいい」ということもあります。常に、法の抜け穴を見つけて、付け込んでいくということをやります。
では、この改正法は「抜け穴」はないのでしょうか?

水口結貴行政書士
-クレジットの規制が強くなったということで、特定のどこかクレジット会社を使って高額商品を無理やり契約させる、ということは、やりづらくなったと思います。

そこで今後、何か(法律の)「網の目」をくぐろうとすると、業者が何とか自社(自分達)で分割払の仕組みを考えたり、どこかから借入をさせて、自社に支払わせるとか、代金の支払方法について抜け道を考えていくのではないか、と思います。

もし、悪徳商法の被害に遭ってしまったら泣き寝入りをするのではなく、法律家や消費者センターなどへ相談に行くということをしてほしいです。
そうした声が多く集まることで、また法改正へとつながっていくと考えます。
くれぐれも「泣き寝入りをしない」ということが、大切です。

(森本毅郎)この法律を厳しくして、違反した人間はちゃんと罰則はあるんだよね?

(コーナー担当 男性パーソナリティー)はい、改正前もちゃんと罰則があった、と言えばあったんです。懲役が付く場合もあったのですが、それが今回少し厳しくなりました。例えば、契約の時に嘘をついていた場合。
これまで「懲役2年」だったのですが、「懲役3年」に引き上げられました。このように、罰則もどんどん厳しくはなってきています。

(森本毅郎)これで、被害が全部なくなるとは思えないけれど、騙されない方法というのは、自分で相当気を付けていかないとなぁ。

(コーナー担当 男性パーソナリティー)「心の隙」を作らない、ということだけですからね。
そして、水口結貴行政書士もお話されていたように「泣き寝入りをしない」、「声を出して世に訴えていく」ということで「次の被害者を出さない」。
これぐらいしか、できることがないですよね。
それだけに、相談先の消費者センターが電話(受話器)を上げっぱなしというのは、勘弁してほしいですよね。

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TBS「クイズAll For One」(2010年1月7日)

「もしも」の想定で、損害賠償額を想定

エクステージ総合法務事務所 代表行政書士・水口結貴が、「和田アキ子 伝説の被害額ランキング」の法律監修を行いました。
これは、「もしも」、和田アキ子さんに受けた被害を訴えた場合、請求できる被害額を大きい順にランキングしたものです。
クイズは、それぞれのシチュエーションごとに、損害賠償額を想定し「金額の高い順にTOP10」を作る、ということと「該当質問がTOP10に入るか、入らないか?」という2点を予想しました。
それでは、実際の問題(質問)と想定された損害賠償額を見ていきましょう。

第1問 ランキングに入るのはどちらか?

A.監禁ビデオ事件
和田アキ子さんの家に行くと必ず最後は自分が歌っているビデオの鑑賞会になる。
ビデオの中身は何十年分の紅白歌合戦。鑑賞するのは、もちろん和田アキ子さんの場面のみ。

B.生放送松村邦洋汚物事件
テレビの生放送中に和田アキ子さんが汗ばんでいた松村さんの体を触り、「松村、お前汚いんや!」と連呼した。この模様は全国ネットで放送された。

ランキング入りしたのは「B.生放送松村邦洋汚物事件」。因みに名誉棄損(警報230条)・人権侵害にあたり、慰謝料請求額は100万円。一方「A.監禁ビデオ事件」は、強要罪(刑法223条)=脅迫・暴行などで義務のないことを行わせた、にあたり請求額は50万円。

第2問 ランキングに入るのはどちらか?

A.西麻布車両突き落とし事件
これは、車で人間ドックのロケへ行くという途中、松村さんが水虫だとわかり、それに和田アキ子さんが怒ったが、その場では何もなかった。ロケ後に3人が車の移動中に、出川さんが松村さんに「水虫大丈夫なの?」と言ったら、和田さんが怒り、車を止めさせた。そして交通量の多い交差点の中、松村さんを車から蹴飛ばし、道路へ落とした。

B.マイケル・ジャクソン事件
大阪の和田さんの実家で、酔っぱらって「リビングにマイケル・ジャクソンがいる!」と大騒ぎをし、部屋中に清めの塩をまき始めた。

ランキング結果は「A.西麻布車両突き落とし事件」の請求額が500万円。これは障害罪(刑法204条)にあたり、スピード・交通量によっては殺人未遂の適用もありうる。因みに「B.マイケルジャクソン事件」は刑法上の罰則はなく、ハウスクリーニング代の12万円が請求額になる。

第3問 ランキングに入るのはどちらか?

A.ロマネ・コンティ事件
和田さんの誕生日会で、俳優・柳葉敏郎氏が100万円以上もする「ロマネ・コンティ」という高級ワインを買いたい、というが現金がない。そこで和田さんが「スプーン1杯、1万円や、払え!!」とその場に居た人達からお金を集めたという。

B.アイスクリーム事件
和田さんのお店「わだ家」で、自慢の「アイスクリーム」を勧め、それを岡田さんが注文した。その後、和田さんが真面目な話をしているのに、岡田さんがそのままアイスクリームを食べていたら、和田さんが「真面目な話をしているのに、なんでアイスクリームが食えんのや!」と怒ったという。

ランキング結果は、A.ロマネ・コンティ事件の請求額が55万円。これは「恫喝」ということで、刑法249条の恐喝罪にあたり、請求額は50万+飲んだワイン代5万円となった。
一方、B.アイスクリーム事件は、刑法上の罰則はなく請求額はアイス代の680円。

第4問 ランキングに入るのはどちらか?

A.そば屋正拳突き事件
和田さんを含む3人で、そば屋へ飲みに行ったところ、出川さんがいないことに気がついた和田さんに、「出川さんは空手をやっている、切れるナイフと呼ばれている」などと嘘といった。それを聞いた和田さんが本気モードになった所へ、遅れて出川さんが入ってきた。すると和田さんは、いきなり出川さんのお腹に何度も正拳突きをした。

B.居酒屋トイレ事件
居酒屋で食事をしていたとき、和田さんが中座してトイレへ。しかし、なかなか戻ってこないため、出川さんが様子を見に行ったところ、和田さんの怒鳴り声がしていた。様子を見ると女性トイレが満席で入れないので、「男子トイレに入っていいやろが!」と店員にどなり店員さんと大ケンカになっていた。

正解は「A.そば屋正拳突き事件」。これは刑法208条、暴行罪にあたり、請求額50万円に湿布代500円。
B.居酒屋トイレ事件は、刑法174条「公然わいせつ罪」にあたり請求額は10万円。

第5問 ランキングに入るのはどちらか?

A.ラジオ放送ジャック事件
増田さんがラジオ番組の仕事中、電源を切っていたはずの携帯電話に和田さんからの電話が。スタッフに断り電話に出ると、深夜で酔った和田さんが絡んできた。そして「わしの歌をかけろ」と妨害し、音楽番組の進行を無視しやりたい放題。結局、4位から1位までの曲が流せず、番組はメチャクチャに。

B.和田人形事件
キャンペーンであたる「アッコ人形」を、スポンサーが親切に送ってくれた。それを見た●●さんの1才の娘が泣き叫んで、逃げたという。
正解は、「A.ラジオ放送ジャック事件」。刑法上の罰則はないが、ラジオコマーシャル60秒の広告費として請求額は30万円。宣伝してもらった分だけのお金を払いましょう、ということ。

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リクルート 「ケイコとマナブ」(2010年4月24日)

かかる時間から探せる!
スキマ時間でできることカタログ

空いた時間を上手に使って何か始めてみたい、と考えている人は多いはず。ここでは、「スキマ時間」でできる習い事をピックアップ。さあ、あなたはどれにする?

「夢中」を見つけるコツはこれ!

例えば、スポーツをやっていたいけど、体育会のノリが苦手、という人は、本格的なウェアを用意するなど「外見から入る」こともやる気を高める1つの方法です。あるサッカーチームでは、メンバーがTシャツなどバラバラの服を着ている時より、おそろいのユニホームを着ていた時の方が勝率が良かったとか。こんな風に、道具や服装を変えると気分も変わるのが人間の不思議なところ。見た目(外側)から入っても、やる気がアップするなら、それもOK。

法律系資格も人気

行政書士
職域拡大で取り扱う業務が増えている

行政書士は、官公署へ提出する「書類作成」や「提出代理」を行います。さらに依頼人からの相談を受け、アドバイスを行う「相談業務」があります。また、年々業務範囲が広がりつつあります。身近な「街の法律家」として、また企業等の法務コンサルタントとしても大きな期待が寄せられている資格です。
※写真協力:エクステージ総合法務事務所(代表:水口結貴行政書士)

宅建
宅地建物取引士は、不動産の売買や賃貸の仲介などをする場合、欠かせない資格です。
民法や宅建業法などを学ぶので、日常生活で発生する困りごとにも対応できる知識が身に着きます。

どちらの資格も、勉強時間の目途としては1日に2.5時間。それを約1年続けると本試験に進めるように。

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テレビ朝日 「スーパーJチャンネル」(2010年4月27日)

不景気を背景に急増する「副業トラブル」
その実態に迫った

北関東に住む40代の女性。夫と二人の子どもと四人暮らし。不景気のあおりを受け、夫が残業ができなくなり、給料が月8万円も減ったという。そのため「自分が何とか、お金を作れないか」と思った。すでに週3回、パートで働いているが、住宅ローンや子どもの学資保険が重くのしかかる。女性は、自宅でできる副業を探し始めた。

ダイレクトメールには、「半永久的な収入が得られる」と…
「パソコンを使って、簡単な作業で副収入を得られる」という情報(ブログ)を見つけた女性。そのブログを書いていた人物は副業で、月に800万円から1000万円の収入があるという。さらに「500%稼げる」という記述もあった。
女性はこのブログの管理者に「どの副業がいいか?」という相談を持ちかけ、数回やり取りをしたという。女性はこの人物を「信用しきっていた」と言い、相手は副業の魅力や詐欺にあわないための注意点など親身に相談に乗ってくれた。
そして、女性に副業紹介メールが届いた。仕事内容は、女性自身の個人情報を入力するというもの。すると、女性の元にダイレクトメールが次々と送られてくる、という。入会して一度、9800円を支払えば、その後は毎月5000円が半永久的に口座に入金される、という。
「月に5000円でも、これだけのことで入ってくるんだ」と、女性は「楽だな」と思った、と言った。そして女性は、その日のうちに入会。登録料として9800円を振り込んだ。

一度は入金して安心させ、高額をだまし取る手口
そして数日後、女性の下に「会員様限定」というメールが届いた。女性は「限定」という文字と「2万5千円が振り込まれる」、「5万円が振り込まれる」という金額に魅力を感じて応募。10万円を支払った。
「5000円の入金もあったので、大丈夫だろうと」思った、と女性は言う。
確かに、9800円を支払って、5000円の入金はあった。しかし、10万円を支払ったが5万円の入金はなかった。
女性は、何度も「支払がない」というメールを送ったが、業者は「しばらくお待ちください」と繰り返すばかり。やがて、その返答も来なくなった。

「腹が立つ」、「許せない。お金を全額返してほしい」と話す女性。
最初に親切を装って相手に接近。その後に耳よりな儲け話で勧誘する手口。問題点を消費者問題の専門家に聞いた。

消費者問題の専門家が語る、問題点とは

悪質商法問題の専門家、エクステージ総合法務事務所 代表行政書士・水口結貴さんによれば、「初めは誰でも半信半疑の気持ちがある。だから、最初に1回だけ、お金を振り込む。そこで、相手が『大丈夫かな』と信用したところに、さらに請求する。“詐欺”や“だまし”のよくあるパターンです」、という説明だった。

また国民生活センターの説明では、最近はインターネットを使った副業を紹介するという相談が多く、不況の影響で内職商法に関するトラブルの相談は急増しているという。

「パチンコで稼げる」という説明に騙された人も

別の男性の場合「パチンコで日払で、月に3万円から19万円の収入になる」と言われ、副業の募集に応募した。その内容はパチンコファンには、魅力的で巧妙なものだったが、結局10万円の被害を受けた。
この男性が問題の業者に連絡をとる。
「上司は不在」と言い逃れようとする業者に男性が食い下がると、「しつこいんだよ!ホントに! 不在だって言ってんだろ!」と怒鳴る業者。
問題の業者は、どの担当者が出ても「上司に相談する」の一点張りで、話をしようとしない。思い余って、男性が「警察に言いますよ」と発言すると業者は「そういうことを言うのか。警察に話す、というなら仕方ないですね」と言い、一方的に電話を切った。

電話で話しても進展がない。残る手がかりは契約書に書かれた業者の住所だ。それは都内のあるビルの4階だった。番組スタッフは男性と共にそのビルへと向かった。ビルの中に入ってみる。果たして、問題の業者やいるのかー。
しかし、数分後、番組スタッフと共にビルを出てきた男性は「電話が通じたので、住所に居るかと思っていたが、私書箱になっていた」と言った。
そこにあったのは、民間私書箱を運営する会社だった。そして、問題の業者は利用料を滞納し、契約を解除されていた。
そこで、男性は再び業者に電話をした。男性が話し始めるなり「話があるなら、弁護士をつけろ」と言う業者。「話を聞いてほしい」と男性が食い下がるが、業者は「話を聞く理由もないし、時間もない」と一方的に言う。
そこで男性が「住所を訪ねて行ったが、会社が存在しない」と言うと、業者は電話を切った。

そこで、男性に代わり番組スタッフが再び電話をかける。番組名を名乗り、取材をしていることを告げると業者は、不審そうに「取材をしている?」と言い、住所の件を訪ねたところで、また電話を切った。その後、何度電話をしてもつながることはなかった。男性はこの件を警察に相談し、被害届を出す予定だという。

被害が急増している副業トラブル

エクステージ総合法務事務所・水口結貴行政書士は警鐘を鳴らす。
「当たり前のことだが、簡単に、楽をして儲かる話は本当にない。これは気を付けないといけない」。

「当然」と思っていても、いざその時になると甘い言葉に騙されてしまうのが人の常。不景気が続く限り、悪徳業者も無くならないし、また新しい手口で騙そうと近づいてくる。気を付けたいものだ。

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日本テレビ 「月曜から夜ふかし」(2013年5月6日)

迷惑メールが「意味不明になってきている」
その理由は?

今夜のカードを選択する。
「迷惑メールが意味不明になってきている件」、「なぜか大宮の不動産価格が高騰している件」、「昔と今で学校教育がどう変わったか調査した件」、「ほめる技術が注目されている件」など8件が用意されていた。

最初のカードは「迷惑メールが意味不明になっていきている件」だ。
現在、一日に配信されているメール総数は、世界で約1,530億通。そのうちなんと、80%にあたる1,300億通が迷惑メールだ。(G DATA2008年上半期調べ)この迷惑メールによる経済的被害額は年間7,300億円にもなる。

そんな迷惑メールには「基本的パターン」がある。
1)ある日、携帯電話に見覚えの無いアドレスからメールが届く。
2)何気なくそのアドレスをクリックすると、突然「登録完了」の文字が画面に表示される。
3)そして再びメールが来る。
4)メールを開いてみると「サイトに登録されましたので、60,000円請求致します」との表示。
5)無視しようか迷っていると、朝から晩までひっきりなしに請求のメール「先日の遅延料金について10万円請求致します」といった内容が届くようになった。
6)それでだんだんと怖くなり、振り込んでしまう人がいるのが現状だ。

だが、最近そんな迷惑メールが意味不明になってきているという。
では、実際に送りつけられた迷惑メールを紹介しよう。

件名:おっす!オラばばぁ!熟女やってみっか!
件名:真矢みきさんからお友達依頼が届いています
件名:主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました
件名:タイムスリップして来た織田信長と申します

中でも多くの人に送信されて話題になったメールが、これだ。
件名:信じられないかも知れませんが、私はチンパンジーです。
本文:キーボード越しでメッセージを伝えているだけでは、分からないかも知れませんが、わたしはチンパンジーです。人間界ではブサメンなあなたでも、チンパンジー界ではイケメンです。あなたはチンパンジー受けする顔です。喜んでいいんですよ。連絡、待ってます。

意味不明な迷惑メールの意図とは?

いったい、このようなメールにはどういった意図があるのだろうか。
消費者問題の専門家で、行政書士エクステージ総合法務事務所 代表行政書士の水口結貴さんに解説してもらった。

水口結貴行政書士:
「最近では広告のメール規制も厳しくなりましたし、迷惑メール対策も進化しています。そのため迷惑メール業者も裏をかいくぐろうとして、一般人を装うようになってきたのです。馬鹿げたメールとかふざけたメールで、思わず読んでみたくなる、思わずクリックしたくなるメールが最近増えています」
迷惑メールは送りつけただけで犯罪です。(※事前に同意していない広告・宣伝メールに限ります)。各携帯電話会社は、無数にやりとりされるメールの文面で、詐欺と思われる内容にフィルターを掛けています」。

そのため、詐欺師達はオーソドックスな方法が使えなくなり、面白いからクリックするといった心理戦に出ているという。

ちなみに、先ほどのチンパンジーメールを開いてしまった人は、次のように話した。
「いつもは、迷惑メールは消去するんですけども、チンパンジーとチャットしたい人はこちらへ、という誘導がありまして、ちょっとクリックしちゃいました」
そして、クリックすると出会い系サイトに飛び、登録をクリックすると不当な請求をされる…、という流れになる。

なぜ、メールアドレスが知られてしまうのか?
だが、なぜそもそも自分のメールアドレスが詐欺業者に知られてしまっているのか?
ここで、もう一度、消費者問題専門家の水口結貴行政書士に聞いてみた。

水口結貴行政書士:
「自分のエールアドレスが流出している、ということです。最近ではメールアドレスを収集するための囮(おとり)サイトを作っている業者もいるほどです。たとえば、『無料で占いをやります』とか、『無料で何かをあげます』と言って、メールアドレスを収集しています。これには、後から迷惑メールを送りつけようといった目的があるのです」

このような悪質サイトは、アクセスしただけでも個人情報が抜き出されてしまうこともあるので注意が必要だ。
水口結貴行政書士は、迷惑メールの対策について、とにかく「開かない」、「クリックしない」、「アクセスしない」こと、と注意ポイントを解説してくれた。

増えているスキミング被害と対策グッズ

また、迷惑メールと並んで被害が多発しているのが「スキミング」だ。
最近増えているのは,ATMのカード差込口に仕掛け式スキミングが設置されているものや、服やカバンの外からかざすだけで情報が抜き出せるものもあるという。

これはとても怖くて深刻な問題だ。犯罪の手口を知り、具体的な防止策をとって、対策しておこう。
そこで、スキミング対策グッズ「トラベラーセキュリティカード」、「Skim Block 長財布」が紹介された。

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「孫の力」木楽舎(2014年11月1日)

超犯罪社会を生きる

「警察白書」によれば、2012(平成24)年に、高齢者が被害を受けた犯罪認知件数(※)は約13万件に上る。認知件数に占める高齢者の割合は増加の一途をたどっている。空き巣やひったくり等に加えて、「オレオレ詐欺」にデジタル技術を加えた新手の詐欺や高齢者の心を巧みに突く犯罪も増えている。
「私だけは」、「オレは大丈夫」と思い込まず、「超犯罪社会」を無事に生き抜く術を身につけよう。

※犯罪認知件数とは
警察が把握した犯罪の発生数のこと。警察官は、犯罪現場の状況から「事件」と判断した場合、被害届の提出を受け、これを認知件数として計上する。事件の「発生数」とは異なる指標。例えば、性犯罪に関する被害などの場合、被害者が被害届を出さず認知されないケースも少なくない。検挙数を認知件数で割った数値が解決率を示す「検挙率」になる。

買う前にちょっと、待って。
その商品、「本当に効果ありますか?」

訪問販売や電話勧誘販売だけでなく、新聞折込チラシの通信販売、インターネット通販と「これを買ってください!」という「品物情報」が溢れている。
どの商品も非常に魅力的に、その効果(効能)が書かれているが、鵜呑みにするのは少し待とう。
悪質商法問題の専門家、エクステージ総合法務事務所・水口結貴行政書士にどんな商品(問題)があるのか、をうかがった。

羽毛布団
多くの人を会場に集め、熱狂的な雰囲気を演出で高額商品を売る「催眠商法」。販売員が巧みな話術で場を盛り上げながら、「これ、欲しい人?」などと、最初は安い日用品をプレゼントする。会場で「ハイ、ハイ」と手を上げさせることから「ハイハイ商法」とも言われる。その催眠商法の典型的な商品が「羽毛布団」だ。ほとんどの場合、数十万円~と高額な物が多い。中には「“磁気”が体にいい」などと言って、磁気マットレスや磁気布団が売られる場合もある。
高電位治療器
一定の効果が認められていて、薬事法では「管理医療機器(クラスII)」に分類されている。しかし、販売方法が問題になることがある。本来の効果は「頭痛・肩こり・不眠症や慢性便秘の軽減」のみとされている。しかし、催眠商法の現場では、「血をきれいにする機械」、「血液をサラサラにする」などの説明がある場合も。さらに、具体的に効果がある(症状が改善した、治った)として、「リウマチ、高血圧、アトピー、肝硬変」から「半身まひ」まで、効能効果のオーバートークがされることもあるようだ。

協力:水口結貴行政書士
エクステージ総合法務事務所代表。消費者問題の第一人者として、数々の悪徳商法の相談を受けてきた。8万件以上の解決実績を持つ。

「悪質商法に騙された場合でも、クーリングオフなどで解約ができます。あきらめずに専門家に相談をしてください」と話してくれた

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日本経済新聞(2017年1月28日)

「遺体ホテル」が増えている

現在、東京都では年間およそ11万人が亡くなっている。しかし火葬場の数は増えていないため、遺体の保管場所に困る遺族らが増えている。こうしたニーズに応えて、遺体を一時的に預かる施設(通称・遺体ホテル)の利用が多くなっている。しかし施設への法的規制はなく、近隣住民の反対運動に発展したケースも見られる。

火葬場が足りず、順番待ち
厚生労働省によると、死亡数は年々増加している。2015年は全国で約130万人が亡くなった。しかし火葬場の数は全国で約4千カ所に留まり、20年間で半減している。(2015年度末)。
都内に限ってみれば、火葬場は23~28カ所で推移している。都内の葬儀関係者によれば、「10年前は1~2日程度で火葬できたが、現在は3~4日待ちが当たり前」とのことだ。
そこで、「火葬待ち」の状態が長くなり、遺体の保管が難しくなっている、という現象が起きている。

周辺住民の理解が得られにくい
2014年9月、川崎市の住宅街に工場を改装してオープンした遺体保管施設がある。同年6月、計画に驚いた住民が「反対の会」を結成した。経営会社の竹岸久雄取締役(41)によれば、「棺にドライアイスを入れて保管し、抗菌仕様の壁紙も使っている。衛生面に問題はない」という。住民向けの説明会も行っている。さらに見学希望者は施設の内覧もできる。しかし周辺住民との溝は埋まっていない。
因みに、安置施設に法的規制はない。同社は、遺体保管施設を「倉庫」として市に届け出た。

専門家が指摘する問題点とは
近所のパート従業員の男性(68)に聞くと、「遺体が近くにあると思うといい気分はしない。必要な存在だと思うが、住宅が密集する場所に建てるべきではない」と言う。
終活の専門家で、葬儀事情にも詳しい水口結貴行政書士は「施設を追い出すだけでは将来の多死社会に対応できない」と言う。さらに「遺体ホテルに関する法的規制がない点には問題もある。衛生管理の基準を設けるなど質を確保するためのルール作りが必要だ」法規制の必要性等を指摘した。