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関西テレビ 「スーパーニュースアンカー」(2009年4月6日)

急増する「資格」ビジネス

街で「資格をもっていますか?」と尋ねると、多くの人が何かしらの資格を持っていた。
就職やキャリアアップ、また趣味を極めるものとして人気の資格。その数は年々増加し、今ではなんと3,000種類にも昇る。
今女性に人気なのが「野菜ソムリエ」受講料は安くないが、資格取得者が2万人を超えるなど、毎月数百名が受けるなど盛況ぶりが続いている。

野菜ソムリエの人気の背景には、協力会社が活躍の場を提供するなど資格の価値を高めている。資格を作る場合は、「理念」だけではだめではやはり「実用」が伴っていないと広がっていかない。

国家資格と民間資格。2つの資格の存在理由は?

資格には、医師や行政書士などの国家資格と簿記検定やTOEIC等の民間資格がある。民間資格は、届け出さえすれば誰でもいわば「勝手に」作ることができる。中には似たような資格で、国家資格と民間資格が混在しているものもある。
例えば、ファイナンシャルプランナーであれば、国家資格の「2級FP技能士」の資格と民間資格の「AFP」は、試験が共通。民間資格上級の「CFP」に合格すれば、国家資格の「1級FP技能士」の学科試験は免除される。
2つ資格が存在する必要があるのか、聞いてみた。
厚生労働省によれば、AFP、CFPについてはあくまでも民間のもの。国が技能検定をしているので「民間資格はやってくれるな」ということではなく、紛らわしいものになっていたら、違いがわかるように説明してください、という指導にしている、という。
民間資格を維持にするには会費(お金)が必要だ。

「“管理調理師”は公的な資格ではありません」

数ある資格の中には、自治体が注意を呼び掛けているものもある。その1つが「管理調理師」だ。
調理師は国家資格だが、管理調理師は民間資格。しかし業者が作成した案内DVDでは「栄養士に管理栄養士、薬剤師に管理薬剤師。様々な資格が定められています」等と、他の資格名をたくさん引き合いに出して、“管理栄養士”があたかも国家資格であるかような説明がされていた。
調理師法第8条では「調理師でなければ、調理師またはこれに紛らわしい名称を用いてはならない」としている。このようなDVDは抵触する恐れがある。
悪質商法問題に詳しく、消費者保護にずっと携わってきた行政書士エクステージ総合法務事務の水口結貴行政書士に聞いた。

水口結貴行政書士によれば、このような紛らわしい資格名は国家資格と似た名前の場合が多い、という。さらに団体名についても「●●協会」、「●●振興会」など、さも公共団体であるかのような名称を使って、信頼性を高めて消費者を勘違いさせている、と教えてくれた。

資格の発行団体の住所地(大阪市内)を訪ねてみた。
しかし出てきた住人は「うちは全く関係ない」という。記載された住所に事務所は存在しなかった。

そこで、企画の発行団体に電話をしてみると「資格ではなく認定講座だから、認定書を受けた方はいる」との回答。受けた人の人数を聞いたが、教えてくれなかった。続けて、県が「調理師法と抵触する」と注意喚起をしている、と告げると「そんなことは知っている」と言い、続けて「これが法に触れるなら、商標登録もできないはずでしょう」、「こちらは、印刷物にも記入して“やってもいい”ということになっている」と言い張った。
「現在、関係ない住所を名乗っているが…」と言うと、相手は突然「関係ないことはない!」と激高した。

そんな中、資格を強化する第三者機関が名乗りを上げた。それは「資格標準化機構」だ。各種検定試験や資格試験の評価を行うとうたっているが…。
代表理事はなんと、問題となった「漢検」の大久保 昇理事長。実は、この法人は大久保理事長の肝いりで作られ、漢検協会から2億円が出資されているのだ。問題を指摘された団体の理事長が他の資格を審査することが適切なのか?
取材を申し込んだところ「文書でなら」と回答が寄せられた。それによれば、活動は当初予定通りに進める、役員人事についてコメントは差し控えたい、ということだった。

もちろん、民間資格の中にもちゃんとやっている所は多くある。一方、「就職や仕事に有利になる」とうたっておきながら、実際には全く役に立たない、というものをある。

「肩書き社会」の中、名称独占、業務独占の資格以外は、どんな資格も「何となく」人の弱みにつけこむ所がある。また、日本人は知的好奇心が高いので、そこを擽られるのだろう。資格を発行する側も、「●●協会」などと名乗っているのであれば、資格を発行することで、その人の人生が輝くものになるように、考えてもらいたい。

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TBS「クイズAll For One」(2010年1月7日)

「もしも」の想定で、損害賠償額を想定

エクステージ総合法務事務所 代表行政書士・水口結貴が、「和田アキ子 伝説の被害額ランキング」の法律監修を行いました。
これは、「もしも」、和田アキ子さんに受けた被害を訴えた場合、請求できる被害額を大きい順にランキングしたものです。
クイズは、それぞれのシチュエーションごとに、損害賠償額を想定し「金額の高い順にTOP10」を作る、ということと「該当質問がTOP10に入るか、入らないか?」という2点を予想しました。
それでは、実際の問題(質問)と想定された損害賠償額を見ていきましょう。

第1問 ランキングに入るのはどちらか?

A.監禁ビデオ事件
和田アキ子さんの家に行くと必ず最後は自分が歌っているビデオの鑑賞会になる。
ビデオの中身は何十年分の紅白歌合戦。鑑賞するのは、もちろん和田アキ子さんの場面のみ。

B.生放送松村邦洋汚物事件
テレビの生放送中に和田アキ子さんが汗ばんでいた松村さんの体を触り、「松村、お前汚いんや!」と連呼した。この模様は全国ネットで放送された。

ランキング入りしたのは「B.生放送松村邦洋汚物事件」。因みに名誉棄損(警報230条)・人権侵害にあたり、慰謝料請求額は100万円。一方「A.監禁ビデオ事件」は、強要罪(刑法223条)=脅迫・暴行などで義務のないことを行わせた、にあたり請求額は50万円。

第2問 ランキングに入るのはどちらか?

A.西麻布車両突き落とし事件
これは、車で人間ドックのロケへ行くという途中、松村さんが水虫だとわかり、それに和田アキ子さんが怒ったが、その場では何もなかった。ロケ後に3人が車の移動中に、出川さんが松村さんに「水虫大丈夫なの?」と言ったら、和田さんが怒り、車を止めさせた。そして交通量の多い交差点の中、松村さんを車から蹴飛ばし、道路へ落とした。

B.マイケル・ジャクソン事件
大阪の和田さんの実家で、酔っぱらって「リビングにマイケル・ジャクソンがいる!」と大騒ぎをし、部屋中に清めの塩をまき始めた。

ランキング結果は「A.西麻布車両突き落とし事件」の請求額が500万円。これは障害罪(刑法204条)にあたり、スピード・交通量によっては殺人未遂の適用もありうる。因みに「B.マイケルジャクソン事件」は刑法上の罰則はなく、ハウスクリーニング代の12万円が請求額になる。

第3問 ランキングに入るのはどちらか?

A.ロマネ・コンティ事件
和田さんの誕生日会で、俳優・柳葉敏郎氏が100万円以上もする「ロマネ・コンティ」という高級ワインを買いたい、というが現金がない。そこで和田さんが「スプーン1杯、1万円や、払え!!」とその場に居た人達からお金を集めたという。

B.アイスクリーム事件
和田さんのお店「わだ家」で、自慢の「アイスクリーム」を勧め、それを岡田さんが注文した。その後、和田さんが真面目な話をしているのに、岡田さんがそのままアイスクリームを食べていたら、和田さんが「真面目な話をしているのに、なんでアイスクリームが食えんのや!」と怒ったという。

ランキング結果は、A.ロマネ・コンティ事件の請求額が55万円。これは「恫喝」ということで、刑法249条の恐喝罪にあたり、請求額は50万+飲んだワイン代5万円となった。
一方、B.アイスクリーム事件は、刑法上の罰則はなく請求額はアイス代の680円。

第4問 ランキングに入るのはどちらか?

A.そば屋正拳突き事件
和田さんを含む3人で、そば屋へ飲みに行ったところ、出川さんがいないことに気がついた和田さんに、「出川さんは空手をやっている、切れるナイフと呼ばれている」などと嘘といった。それを聞いた和田さんが本気モードになった所へ、遅れて出川さんが入ってきた。すると和田さんは、いきなり出川さんのお腹に何度も正拳突きをした。

B.居酒屋トイレ事件
居酒屋で食事をしていたとき、和田さんが中座してトイレへ。しかし、なかなか戻ってこないため、出川さんが様子を見に行ったところ、和田さんの怒鳴り声がしていた。様子を見ると女性トイレが満席で入れないので、「男子トイレに入っていいやろが!」と店員にどなり店員さんと大ケンカになっていた。

正解は「A.そば屋正拳突き事件」。これは刑法208条、暴行罪にあたり、請求額50万円に湿布代500円。
B.居酒屋トイレ事件は、刑法174条「公然わいせつ罪」にあたり請求額は10万円。

第5問 ランキングに入るのはどちらか?

A.ラジオ放送ジャック事件
増田さんがラジオ番組の仕事中、電源を切っていたはずの携帯電話に和田さんからの電話が。スタッフに断り電話に出ると、深夜で酔った和田さんが絡んできた。そして「わしの歌をかけろ」と妨害し、音楽番組の進行を無視しやりたい放題。結局、4位から1位までの曲が流せず、番組はメチャクチャに。

B.和田人形事件
キャンペーンであたる「アッコ人形」を、スポンサーが親切に送ってくれた。それを見た●●さんの1才の娘が泣き叫んで、逃げたという。
正解は、「A.ラジオ放送ジャック事件」。刑法上の罰則はないが、ラジオコマーシャル60秒の広告費として請求額は30万円。宣伝してもらった分だけのお金を払いましょう、ということ。

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テレビ朝日 「スーパーJチャンネル」(2010年4月27日)

不景気を背景に急増する「副業トラブル」
その実態に迫った

北関東に住む40代の女性。夫と二人の子どもと四人暮らし。不景気のあおりを受け、夫が残業ができなくなり、給料が月8万円も減ったという。そのため「自分が何とか、お金を作れないか」と思った。すでに週3回、パートで働いているが、住宅ローンや子どもの学資保険が重くのしかかる。女性は、自宅でできる副業を探し始めた。

ダイレクトメールには、「半永久的な収入が得られる」と…
「パソコンを使って、簡単な作業で副収入を得られる」という情報(ブログ)を見つけた女性。そのブログを書いていた人物は副業で、月に800万円から1000万円の収入があるという。さらに「500%稼げる」という記述もあった。
女性はこのブログの管理者に「どの副業がいいか?」という相談を持ちかけ、数回やり取りをしたという。女性はこの人物を「信用しきっていた」と言い、相手は副業の魅力や詐欺にあわないための注意点など親身に相談に乗ってくれた。
そして、女性に副業紹介メールが届いた。仕事内容は、女性自身の個人情報を入力するというもの。すると、女性の元にダイレクトメールが次々と送られてくる、という。入会して一度、9800円を支払えば、その後は毎月5000円が半永久的に口座に入金される、という。
「月に5000円でも、これだけのことで入ってくるんだ」と、女性は「楽だな」と思った、と言った。そして女性は、その日のうちに入会。登録料として9800円を振り込んだ。

一度は入金して安心させ、高額をだまし取る手口
そして数日後、女性の下に「会員様限定」というメールが届いた。女性は「限定」という文字と「2万5千円が振り込まれる」、「5万円が振り込まれる」という金額に魅力を感じて応募。10万円を支払った。
「5000円の入金もあったので、大丈夫だろうと」思った、と女性は言う。
確かに、9800円を支払って、5000円の入金はあった。しかし、10万円を支払ったが5万円の入金はなかった。
女性は、何度も「支払がない」というメールを送ったが、業者は「しばらくお待ちください」と繰り返すばかり。やがて、その返答も来なくなった。

「腹が立つ」、「許せない。お金を全額返してほしい」と話す女性。
最初に親切を装って相手に接近。その後に耳よりな儲け話で勧誘する手口。問題点を消費者問題の専門家に聞いた。

消費者問題の専門家が語る、問題点とは

悪質商法問題の専門家、エクステージ総合法務事務所 代表行政書士・水口結貴さんによれば、「初めは誰でも半信半疑の気持ちがある。だから、最初に1回だけ、お金を振り込む。そこで、相手が『大丈夫かな』と信用したところに、さらに請求する。“詐欺”や“だまし”のよくあるパターンです」、という説明だった。

また国民生活センターの説明では、最近はインターネットを使った副業を紹介するという相談が多く、不況の影響で内職商法に関するトラブルの相談は急増しているという。

「パチンコで稼げる」という説明に騙された人も

別の男性の場合「パチンコで日払で、月に3万円から19万円の収入になる」と言われ、副業の募集に応募した。その内容はパチンコファンには、魅力的で巧妙なものだったが、結局10万円の被害を受けた。
この男性が問題の業者に連絡をとる。
「上司は不在」と言い逃れようとする業者に男性が食い下がると、「しつこいんだよ!ホントに! 不在だって言ってんだろ!」と怒鳴る業者。
問題の業者は、どの担当者が出ても「上司に相談する」の一点張りで、話をしようとしない。思い余って、男性が「警察に言いますよ」と発言すると業者は「そういうことを言うのか。警察に話す、というなら仕方ないですね」と言い、一方的に電話を切った。

電話で話しても進展がない。残る手がかりは契約書に書かれた業者の住所だ。それは都内のあるビルの4階だった。番組スタッフは男性と共にそのビルへと向かった。ビルの中に入ってみる。果たして、問題の業者やいるのかー。
しかし、数分後、番組スタッフと共にビルを出てきた男性は「電話が通じたので、住所に居るかと思っていたが、私書箱になっていた」と言った。
そこにあったのは、民間私書箱を運営する会社だった。そして、問題の業者は利用料を滞納し、契約を解除されていた。
そこで、男性は再び業者に電話をした。男性が話し始めるなり「話があるなら、弁護士をつけろ」と言う業者。「話を聞いてほしい」と男性が食い下がるが、業者は「話を聞く理由もないし、時間もない」と一方的に言う。
そこで男性が「住所を訪ねて行ったが、会社が存在しない」と言うと、業者は電話を切った。

そこで、男性に代わり番組スタッフが再び電話をかける。番組名を名乗り、取材をしていることを告げると業者は、不審そうに「取材をしている?」と言い、住所の件を訪ねたところで、また電話を切った。その後、何度電話をしてもつながることはなかった。男性はこの件を警察に相談し、被害届を出す予定だという。

被害が急増している副業トラブル

エクステージ総合法務事務所・水口結貴行政書士は警鐘を鳴らす。
「当たり前のことだが、簡単に、楽をして儲かる話は本当にない。これは気を付けないといけない」。

「当然」と思っていても、いざその時になると甘い言葉に騙されてしまうのが人の常。不景気が続く限り、悪徳業者も無くならないし、また新しい手口で騙そうと近づいてくる。気を付けたいものだ。

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日本テレビ 「月曜から夜ふかし」(2013年5月6日)

迷惑メールが「意味不明になってきている」
その理由は?

今夜のカードを選択する。
「迷惑メールが意味不明になってきている件」、「なぜか大宮の不動産価格が高騰している件」、「昔と今で学校教育がどう変わったか調査した件」、「ほめる技術が注目されている件」など8件が用意されていた。

最初のカードは「迷惑メールが意味不明になっていきている件」だ。
現在、一日に配信されているメール総数は、世界で約1,530億通。そのうちなんと、80%にあたる1,300億通が迷惑メールだ。(G DATA2008年上半期調べ)この迷惑メールによる経済的被害額は年間7,300億円にもなる。

そんな迷惑メールには「基本的パターン」がある。
1)ある日、携帯電話に見覚えの無いアドレスからメールが届く。
2)何気なくそのアドレスをクリックすると、突然「登録完了」の文字が画面に表示される。
3)そして再びメールが来る。
4)メールを開いてみると「サイトに登録されましたので、60,000円請求致します」との表示。
5)無視しようか迷っていると、朝から晩までひっきりなしに請求のメール「先日の遅延料金について10万円請求致します」といった内容が届くようになった。
6)それでだんだんと怖くなり、振り込んでしまう人がいるのが現状だ。

だが、最近そんな迷惑メールが意味不明になってきているという。
では、実際に送りつけられた迷惑メールを紹介しよう。

件名:おっす!オラばばぁ!熟女やってみっか!
件名:真矢みきさんからお友達依頼が届いています
件名:主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました
件名:タイムスリップして来た織田信長と申します

中でも多くの人に送信されて話題になったメールが、これだ。
件名:信じられないかも知れませんが、私はチンパンジーです。
本文:キーボード越しでメッセージを伝えているだけでは、分からないかも知れませんが、わたしはチンパンジーです。人間界ではブサメンなあなたでも、チンパンジー界ではイケメンです。あなたはチンパンジー受けする顔です。喜んでいいんですよ。連絡、待ってます。

意味不明な迷惑メールの意図とは?

いったい、このようなメールにはどういった意図があるのだろうか。
消費者問題の専門家で、行政書士エクステージ総合法務事務所 代表行政書士の水口結貴さんに解説してもらった。

水口結貴行政書士:
「最近では広告のメール規制も厳しくなりましたし、迷惑メール対策も進化しています。そのため迷惑メール業者も裏をかいくぐろうとして、一般人を装うようになってきたのです。馬鹿げたメールとかふざけたメールで、思わず読んでみたくなる、思わずクリックしたくなるメールが最近増えています」
迷惑メールは送りつけただけで犯罪です。(※事前に同意していない広告・宣伝メールに限ります)。各携帯電話会社は、無数にやりとりされるメールの文面で、詐欺と思われる内容にフィルターを掛けています」。

そのため、詐欺師達はオーソドックスな方法が使えなくなり、面白いからクリックするといった心理戦に出ているという。

ちなみに、先ほどのチンパンジーメールを開いてしまった人は、次のように話した。
「いつもは、迷惑メールは消去するんですけども、チンパンジーとチャットしたい人はこちらへ、という誘導がありまして、ちょっとクリックしちゃいました」
そして、クリックすると出会い系サイトに飛び、登録をクリックすると不当な請求をされる…、という流れになる。

なぜ、メールアドレスが知られてしまうのか?
だが、なぜそもそも自分のメールアドレスが詐欺業者に知られてしまっているのか?
ここで、もう一度、消費者問題専門家の水口結貴行政書士に聞いてみた。

水口結貴行政書士:
「自分のエールアドレスが流出している、ということです。最近ではメールアドレスを収集するための囮(おとり)サイトを作っている業者もいるほどです。たとえば、『無料で占いをやります』とか、『無料で何かをあげます』と言って、メールアドレスを収集しています。これには、後から迷惑メールを送りつけようといった目的があるのです」

このような悪質サイトは、アクセスしただけでも個人情報が抜き出されてしまうこともあるので注意が必要だ。
水口結貴行政書士は、迷惑メールの対策について、とにかく「開かない」、「クリックしない」、「アクセスしない」こと、と注意ポイントを解説してくれた。

増えているスキミング被害と対策グッズ

また、迷惑メールと並んで被害が多発しているのが「スキミング」だ。
最近増えているのは,ATMのカード差込口に仕掛け式スキミングが設置されているものや、服やカバンの外からかざすだけで情報が抜き出せるものもあるという。

これはとても怖くて深刻な問題だ。犯罪の手口を知り、具体的な防止策をとって、対策しておこう。
そこで、スキミング対策グッズ「トラベラーセキュリティカード」、「Skim Block 長財布」が紹介された。

関西テレビ「痛快!エブリディ」(2004.519)

消費者問題の専門家・水口結貴行政書士に聞く

「悪徳商法に騙されないための方法・テクニック」

普段何気なく生活しているとあまり関係がないはずの「悪徳商法」。

しかし、「つい、うっかり」と騙されてしまう人も多い。身近な人に「架空請求のメールが来た」や高齢者を狙って、最初は景品等を配るだけなのに、そのうち「この鍋でご飯を炊くと美味しくなる」、「この鍋は、孫の代まで使える」などと言い、30万円以上する鍋を買わされそうになった、等の話を聞く。

そこで、今日は実際に被害にあった方の話を元に悪質業者の騙しの手口を紹介する。そして、悪徳商法の相談を多数受けている専門家、エクステージ総合法務事務所の水口結貴行政書士に「悪徳商法に騙されないための方法・テクニック」を聞いた。

 

「あなたは悪徳商法に騙されたことがありますか?」

街で聞いてると…。

例えば、ある女性は「化粧品を買ったら、無料でエステが付いている」と言われて、買ったころ、店員から「これも、あれも、あれも…買ってください」とどんどん勧められ、結局、高額な支払になった、という女性。

他に「アメリカの掃除機で38万円」を買わされた女性は、クーリングオフで電話をしたら、「相手がヤクザみたいな口調になって…」と非常に怖い思いをした、と話してくれた。

そのほか、「勝手に名簿を使われて、家に電話がかかってきて、最初は美味しい話ばかりするんですよ。主婦の方もたくさんやっている、とか、月にいくら稼げるとか。それで乗り気になったら、“じゃあ、先行投資で60万必要”って…」や、「周りに、悪質商法の被害にあった人が多い。出会い系で知りあって、会いに行ったら化粧品を売られそうになったとか、聞いている」という人も。

さらに「子どもの成績を上げてくれる、というので、教材を買わされたしまった」と話す女性が払った金額は、なんと「150万円」。支払は3年間、続いたという。因み、お子さんは結局、勉強はしなかった…とか。

また、「実家に帰る度に、物が増えていて驚く。めちゃくちゃ高い鍋とか、高い布団とか、掃除機とか。肌に乗せるだけで治る金属とか…」と困り顔の人も。今回は「自宅で、手軽に収入を得たい」。そんな主婦を狙った「内職商法」や、出会いを求める男性をデート気分にさせて、高額商品を売る「デート商法」、無料体験という甘い言葉をエサに次々と高額商品を売りつける「無料商法」などを紹介する。

 

悪徳商法の実態に迫る! わたしはこうしてダマされた…

今回、紹介するのは、内職商法、デート商法、無料商法。いずれも悪徳商法の中でも被害例が多いものだ。

(出演者)

そのまんま東 遥 洋子 トミーズ健

エクステージ総合法務事務所  行政書士 水口結貴

 

あなたの「悪徳商法」ダマされ度チェック

年々、被害が拡大している悪質商法。どんな人が「ダマされやすい」のか? あなたは大丈夫でしょうか? そこで今回、行政書士 水口結貴さんの監修で「ダマされ度チェック」を作成し、実際にやってみた。

 

あなたの「悪徳商法」ダマされ度チェック

例)無料プレゼントや懸賞などお得な話に弱い

好みのタイプの異性に言い寄られると弱い

ニュースや世の中の動きにあまり敏感でない

相手を拒否して気まずくなるのは避ける

他人をすぐに信用したり、人の意見に流される …など

 

そして、これらの質問に対して「Yes」がいくつあるかで、あなたの「ダマされ度」がわかる。

Yesが多いほど、「騙されやすい」人と言えるだろう。

特に「無料プレゼントや懸賞などお得な話に弱い」や「好みのタイプの異性に言い寄られると弱い」といった項目は、殆どの人があてはまるのではないだろうか。

また、「今の自分の現状に満足していない」という項目について言うと、例えば、収入や見た目など自分にコンプレックスがあると、そのコンプレックスに付け込まれてしまう。そして「もっとお金持ちになれる」、「もっときれいになれる」といった業者の勧誘に乗ってしまうのだ。

 

手口を紹介。驚きの「悪徳商法 騙しのテクニック」

 

それでは、実際の悪徳商法の被害を紹介していこう。

­­­­­­­­­­­­­­­­悪徳商法のターゲットになるのは…

その1 子育て中の主婦

そして、こうした子育て中の主婦を狙うのが「内職商法」だ。水口結貴行政書士に、内職商法を解説してもらった。水口結貴行政書士は、「在宅でできる仕事を紹介するので、それで稼ぎませんか?」と言われながら、実際は「勉強してもらう必要があります」ということで、高い教材を買わされてしまう、やり口だという。

(被害者の証言を元にした再現VTR)

「自宅で2~3時間で、6~7万円を稼げると言われたので…」と語るのは、吉田あけみさん(仮名・36才)。彼女は家事と子育てに追われる日々を過ごしている。小さな子どもを抱えながらの生活は決して楽ではなかった。

「家計も苦しいし、そろそろ仕事を差がなきゃ…」と考えていた頃、インターネットで「在宅ビジネス」の文字を発見。資料請求をすると早速、パンフレットが届いた。そこには「パソコンの資格を取得したら、在宅でできる仕事を確実に紹介する」と書いてあった。

また、報酬例として「月に8万~10万円」の報酬が得られると説明されていた。

「子どもが小さいので、外で働くこともできないし」、「内職だと月に2万円稼ぐのがやっと」なので、「生活費の足しにしたり、子どもの習い事とかに回せれば」と思っていた、という。

そんなとき、一本の電話が。

資料請求をした業者からだった。

「パソコンを使ったことがない」と不安がる吉田さんに対して、業者は「大丈夫ですよ」と即答した。「まず、資格を取っていただくんですが、うちの優秀なスタッフがサポートします」、「合格さえしてくれれば、確実に仕事を回します」。

「合格したら、本当に仕事がもらえるんですか?」と吉田さんが聞くと、業者は「もちろんです。仕事はさばききれないどあります」と言い切った。

 

問題の会社は、依頼先か受けた業務を吉田さんのような契約者に「業務委託」する。そして成果物が納品されれば、報酬を払うという仕組みだ。

 

業者は続けて「小さいお子さんが居て、外にパソコンを習いに行くのが難しいなら、うちの教材を使って勉強してもらえればいい。すぐに合格できますよ」と言った。

「65万? それは無理です」とあけみさんが断ると、業者は毎日電話をかけてきた。

「今だけ募集」「がんばる人は10万円~15万稼いでいる」という甘い言葉を信じて契約してしまった。

 

あけみさんは猛勉強したが、合格できない。そして、毎日のようにきていた業者からの電話はこなくなった。消費者センターに問い合わせすると、業者は倒産していた。

計画倒産する業者もあるという。

 

ダマされる手口(業者が良く使うトーク例)

1)最初に何か、高額商品を買わされる。

2)資格は簡単に取れますよ(あなたが、がんばれば)

3)毎月、5万くらいになりますよ

 

内職

1)見知らぬ人からの電話勧誘はご用心

2)契約を急がされても即断しない

3)契約前に業者の評判を調べておく

 

水口結貴行政書士の「格言」

ちょっと待て、最初に金とる内職話

 

その2)出会いを求めている男性が狙われやすい「デート商法」

 

言葉巧みに恋愛感情を利用しながら、高額商品を買わせる商法。「平均被害額は130万円です」と水口結貴 行政書士が教えてくれた。

出会い系サイトにはやがて、まだ会ったこともない「サトミ」に恋心を抱くようになった。そして、顔を会わせることになった二人。

予想以上の女性だった「サトミ」に有頂天になるマサオ。そして、サトミはデートの最期に「アクセサリーを選んであげたいから、うちに会社に来て」と言われた。

後日、マサミの会社に行ったマサオにマサミの会社の「社長」がジュエリー(指輪)を選んできた。そのまま「15万円」の契約書を持ってきたマサミ。言われるがまま、契約書に記入してしまった。

しかし、指輪を購入してから10日間を過ぎると、電話がつながらなくなった。それは「8日間」というクーリングオフ期間が過ぎたからだった。

 

デート商法の手口

1)メールや電話で、さりげなく職業や収入を聞いてくる

2)クーリングオフ期間(8日間)が過ぎるまで恋人を装う

3)契約書だけでなく、アンケートにも記入させる

 

水口結貴行政書士が、アンケートの意味を語る。後になって「案内と聞いてませんでした」と言われないために書かせるものだ、という。

ダマさないための対策

収入など個人情報を聞いてくる場合はご用心。

店に連れて行かれても契約しない。

 

水口結貴 行政書士の格言

出会い系 即アポ女性にはご用心

 

3)時間のある学生、主婦をねらった「無料商法」

路上で声をかけられた伊藤さん。「うちの店で、無料体験キャンペーンをやっている」との言葉に釣られて店へ。貴重品を預け、ガウン一枚になり1時間の痩身体験を受ける。ガウンのまま個室へ。そして現れた女性は、伊藤さんの理想とするキレイな女性だった。その女性が「この施術を受けて、変わった」など、エステサービスの内容の説明を始めた。勧誘されること4~5時間。ガウン一枚で、ほぼ裸だったこともあり、逃げられない。ローン総額は約100万と高額だが「一生モノの付き合いよ、月々たった1万円よ」等の言葉に乗せられ、契約することになってしまった。

 

騙しのテクニック

  • ガウンのまま別室に移動させられて、勧誘を受ける
  • 帰ろうとすると無理やり引き留めて勧誘を続ける
  • 無料体験の後、高額商品を買わせたり、契約させる

 

水口結貴行政書士が対策を語る対策

  • 無料だからと言われてもついていかない
  • 友人などと一緒に店に行き、一人ではいかない
  • 契約を急がされても即断しない

 

「特定商取引法」で中途解約が認められているもの

エステティック

語学教室

家庭教師派遣

学習塾

パソコン教室

結婚情報サービス

 

水口結貴行政書士によれば、業者はこうした中途解約が効かないように「商品売買」として契約をさせるケースもある、という。注意が必要だ。

 

格言

しつこい勧誘、逃げるが勝ち

 

水口結貴行政書士が教える「悪徳商法 まめ知識」

勧誘電話「魔の瞬間」

金・土、そして休日の前日の午後

ほっとしている時間

 

キャッチセールス「魔の瞬間」

日が沈む頃の夕暮れ時

心理学的にも気が緩む時間

 

悪徳商法の書き入れ時

新入生、・新社会人で街があふれる4月、5月

大学生も初めておしゃれをしてみたい、初めてのお給料をもらって気が緩んでいる。

テレビ東京「給与明細」(2004.1.25)

ワン切り業者の巧妙な話が展開される

請求金額(12万9千円)の内訳を尋ねてみると、入会金が3万円。また、月額5千円で使い放題の番組なので、それが4ヶ月分で2万円。

「入会金が無料」というのは、登録して5日以内に最初の月額費用5千円を支払えば、「入会金が無料」になる特典があった、という説明だ。しかし、今回の場合、月額費用を業者が設定した期日以内に支払っていないため、入会金の請求が出た、という話だった。業者は続けて「ガイダンスでは、ちゃんと言っている」や「ガイダンスをちゃんと聞いてくれれば、そんな間違いはしなかったのに」、「ガイダンスを聞いていない方が、支払が遅れたり、支払の不履行をしている人の殆どだ」などと言う。

続けて、「この番号を(支払がない)79日間、セキュリティをかけて管理している」、「だから、他の業者に漏れたりすることはない」などと説明した。

 

「セキュリティをかけている」と一見、良心的にも見えるが、実はその「補修金」として「1日千円」を請求しているのだ。

そして、業者は予想外の言葉を言ってきた。

 

電話をしてきた今日までの日数(18日間)も上乗せされて「129,000円+18,000円=147,000円」の請求に変わると、さらなる追加料金について語りだした。セキュリティやデータ補修金について、ガイダンスで説明しているのか?と質問すると「もちろん、言っている」と答えるワン切り業者。

「ガイダンスをもう一度、聞かせてもらえないか?」と頼むと「発信履歴がないのか」と言う。発信履歴が見つかり支払について話し合いができないまま、一度電話をきった。そして電話を掛け直すことになった。

 

これは、ガイダンスを聞かなかったこちらが悪いのか?

「とにかくガイダンスで全部、説明している」と業者が言うので、もう一度ガイダンスを聞いてみることにした。

しかし、電話をかけると「電源が入っていないか故障中と思われます」というアナウンスが流れて、確認できない。どうやら、サービス自体が存在しないようだ。

再度、請求元に電話をかけることに。しかし、相手が出ない。

 

仕方なく、類似するサービスに電話をかけて、ガイダンスを聞いてみると下記の案内が流れた。

1.定額制で安心

2.入会金3万円

3.利用後、5日以内に支払ってください

4.5日以内に支払がないと、入会金が無料になる無料特典が受けられません

 

注意して聞くと、確かに料金についての説明はしていた。しかし、この番組では「データ補修金」という話は出てこなかった。

請求元の言い分は「ガイダンスの説明を聞かなかった方が悪い」。

 

一方、水口結貴行政書士の見解では「かけなおした時点で、料金の説明などを聞かない方が悪いのではなく、きちんと説明しない方が悪い」と言える、ということだった。また、逆に「あなたが悪いんだから」と思わせる手口の可能性もある、と教えてくれた。

 

前回こちらが電話をした業者は、料金説明を聞かなくても遊べるようになっていた。これは「明らかに不当だ」と、水口結貴行政書士は言う。

 

通話時間12分、請求金額14万7千円は払うべきか?

テレビ東京「給与明細」(2004.1.18)

「記憶の話をされても困るんだよね」。

電話口の向うから業者のいら立った声が聞こえてくる。取材者も困惑顔だ。一体何が起きたのか?

 

「この後、どうなってしまうのでしょうか?~ワン切り編~」

 

今回は、「ワン切り電話」、「身に覚えのない請求書」に「実際に掛け直してみたら、どうなるんでしょうか?」。

以前、同様の企画を放送してから4ヶ月。実は大事件が発生していた。

それは、ワン切り電話をかけてきた携帯電話に電話をしたことから始まった。実際に電話をかけてみると「お相手を見つけんね」や「クレジット清算の方は○番を」などの自動音声による案内が流れた。

取材者は「お相手を探してみる」を選んだ。すると、また自動音声で「ただ今、お相手を探しています」や「お相手を時は♯を…」といった案内が流れる。

しかし、何分経っても何も変わらず、ただ同じメロディが流れるだけだ。

そして、ようやく「お相手とつながりました」のメッセージが。

 

しかし、次の瞬間には「お相手が変わります」とメッセージが流れ、また「コンピューターがお相手を探しています」と振り出しに戻る…、延々とその繰り返しだ。切りがないので、仕方なくこちらから電話を切った。

この通話時間は12分間。ワン切りの正体は「ツーショットダイヤル」だった。

 

4ヵ月後、料金未払の督促電話がかかってきた

果たして、請求通りの金額を払う必要があるのか?

 

金額は何と、12万9千円。この請求は不当ではないのか?

そこで専門家の協力のもと、ワン切り業者と話し合いをすることにした。

果たして、請求通りの金額を払う必要があるのか?

または、払わなくてもいいのか?

 

協力していただく先生は、エクステージ総合法務事務所 水口結貴行政書士。手を変え品を変え、次々と出てくる悪徳商法の相談やクーリングオフ、契約解除などのサポートを行っている、消費者問題のエキスパートだ。

 

そこで、水口結貴行政書士にワン切り電話調査の模様を見てもらった。次に、業者からの請求明細を見てもらった。

入会金3万円

定額料金 月5,000円×4ヶ月=2万円

データ補修金 1日1,000円×79日=7万9千円

 

これは、支払わないといけないのだろうか?

水口結貴行政書士によれば、「法律的には、不当な請求と言わざるをえない」ということだ。例えば、「データ補修金」についも「○日分」という請求をしているので、実態は「遅延損害金」と同じような扱い、つまり「利子」にあたると思われるが、それにしては金額が法外だ、ということだった。

 

さらに、水口結貴行政書士は「また、さらに問題なのはこうした料金についても、きちんと説明がされていない点だ」とも指摘する。本来は、電話をかけた時点で例えば「月額でいくら、遅延損害金は何%」などの説明がなければいけない。

しかし、今回のケースではそうした説明はきちんとされていないので、金額などについては「納得してない」、「知らずに使ってしまった」ということで、「錯誤」による「無効」を主張できるケースかもしれない、と解説してくれた。

また、業者が色々言うようであれば「明細(請求金額の根拠)を出してくれ」と主張してもいいかもしれない、と教えてくれた。

日本テレビ「ザ・ワイド」(2003.9.5)

内職商法特集

 

主婦の間で高まる「パソコン」人気

その心理につけこむ、悪質内職商法が急増

 

主婦に「どんな習い事をしたいですか?」というアンケートを取ったところ、人気急上昇中なのが「パソコン」だ。そして、この「パソコンを習いたい」という主婦の心理に付け込んだ悪質商法が急増している。その実態とは?

 

不況の時代を反映してか、今、自宅で空いた時間を使って内職をしたがる主婦が増えている。街で主婦に「内職」したがる理由を聞いた。

 

「少しでも、足しになれば嬉しいですよね」

「それは、ありがたいです」

「子どもがいると、なかなか外で働くのは…」

 

そんな主婦たちの気持ちを利用しているのが「内職商法」だ。

国民生活センターによれば、この10年間で被害は約10倍に増え、中でも「パソコンを使った内職商法」の被害が多い、という。数十万円の教材をローンを組んで買っても仕事は来ず、結局ローンだけが残るということだった。

「内職商法」の被害者に話を聞くことができた。

 

「ローンの支払をしても、手元に3万5千円がのこりますよ」

それならいいか、と思ってしまって…

 

被害者(守屋さん:仮名)は、業者から電話がかかってきて、勧誘された。子どもが小さく、外へ働きに行けなかったことや当時は高い家賃の負担もあって「何か私にできることがあれば…」と話を聞いた、という。

業者は「資格を取ってもらって、仕事を紹介するシステムです」と言った。「子どもが生まれたばかりで…」と断りかけると、業者は続けて「家で簡単にできるんですよ」、「パソコンが1台あれば、仕事以外でも便利ですよ」と契約を迫るが、守屋さんは「考えさせてください」と電話を切った。

そして3日後。再び業者から電話があり一方的に「パソコンと教材を送りますから」と言われた。そして「試験に受かれば、いくらでも仕事が入ってきますから」「反論する守屋さんに業者は続けて「もう、会員番号を出ているので、辞められない」と言われた。

 

気になる収入については、「パソコンを使って3か月位、勉強すれば5万円程度の収入になる」と言われたそうだ。業者に押し切られる形で契約してしまった守屋さん。契約総額は、5年間のローンで90万円を超えた。

契約の決め手について、守屋さんは「5万円の収入があれば、ローンの1万5千円を引いても、まだ3万5千円が手元に残る」。「それなら、いいか」と思って、と答えた。

 

えッ? これで90万円? 驚きの教材内容と

「仕事なんて無い」現実

 

守屋さんが買った教材をパソコン雑誌の編集長に見てもらうと、帰ってきた答えは「法外ですね」というものだった。しかも、教材内容についても「かなり雑に作っている」との評価だった。

それでも何とか、教材を見ながら勉強して、仕事をもらえる前提の「検定試験」を受けた守屋さん。しかし、それはとても30分でできるような物ではなく、レベルが高く難しいものだった、と言う。

その後も、何度か業者に電話をして仕事をもらえるように相談したが、業者は「もう少しがんばってください」や「皆さん合格して、仕事をもらっていますよ」といったものばかり。結局、2回目の試験も不合格に終わり、守屋さんは仕事をもらう事を諦めてしましった。

 

仕事がもらえなかったのは、能力の問題?

専門家に試験問題を見てもらった

 

パソコンスクールの講師によれば、教材内容を全部取得するには1年程度かかる、という。また試験問題も見てもらうと「寮が多いので、30分では難しい」という意見だった。ある調査によれば、主婦の2人に一人が内職の勧誘電話を受けていた。

 

「全額が戻ります」

甘い言葉に隠されたワナ

 

別の例を紹介しよう。

杉山さんの所に業者から、勧誘電話がかかってきたのは去年のことだった。業者は「先日、ダイレクトメールを送って、皆さんから契約のお返事をもらっている。あなたから返事が無かったので、電話した」という。

仕事の内容は、旅行代理店と契約をして旅行のスケジュールなどをパソコンを使って入力する、というものだった。業者が提示してきた金額が、普通のアルバイトよりも高額だったことや「仕事が無いことはあり得ない」と言った業者の説明を信じてしまった。

しかし、仕事をするには「一般旅行業務主任者」という国家資格を取らないといけない。そして、その教材費用が50万円かかる、という話だった。

 

業者は続けて「でも、このお金は将来、必ず戻ってきますから」と言った。どういうことかと言うと、試験合格時に「50万円の支援が受けられる」。だから「私の負担は一切なく、受けられます」と言われた、ということだ。

 

この「50万円が戻ってくる」というカラクリはこうだ。

1.業者が教材を50万円で販売する

2.購入者が「A協会」の会員になれば、費用は全額戻ってくる

3.「A協会」は、購入者の学習をサポートするだけでなく、最初に旅行会社に購入者をあっせんする。

4.旅行会社が、購入者に50万円を払ってくれる。

 

「一般旅行業務取扱主任者」とは、国家資格だ。しかし、旅行会社に話を聞いてみると「自宅で旅行業の仕事をするのに、役立つは思えない」と言う。

さらに複数の旅行会社に、杉山さんが契約した会社名や奨学金(制度)の事を尋ねたが、知っている所は皆無だった。

杉山さんは国家資格取得を目指し猛勉強していたが、サポートしてくれるはずのA協会からは何度か模擬問題が送られてきただけ。しかも、3月を最後に返事すら返ってこなくなった。

杉山さんは、「主婦や学生みたいな、お金が無い人をだますなんで許せない」ということ、そして「二度と、ひっかかりたくない」と言っていた。

 

法律の専門家、行政書士の所にも、様々な相談が寄せられている。中でも最近多いのが、こんなケースだという。

エクステージ総合法務事務所 水口結貴行政書士 に話を聞いた。

 

ある業者と契約をしたもの、思うような収益を得られないということで、「今度こそ、こちらの業者だったら」との思いから、4社、5社と被害を受ける人もいる、ということだ。

 

また「なぜ、複数の悪質業者と契約をしてしまうのか?」と聞いたところ、水口結貴行政書士は、「切実に収入が厳しいので、何とか“損をした分を取り戻したい”という気持ちが働いてしまうようだ」と教えてくれた。

 

被害者名簿が出回り、何度も被害を受けてしまう

 

また、エクステージ総合法務事務所 水口結貴行政書士はこんなケースも教えてくれた。一度、悪質業者に騙されると、その被害者名簿が業者間に流出して(出回って)しまう、と言う。

 

例えば、ある日電話がかかってきて、今使っている教材(内職商法で購入したもの)の進み具合などを聞いてくる。そこで「もう使っていないし、辞めたい」と言うと「辞めるにはお金がかかりますよ。残りの教材を買い取ってもらえれば、辞められます」、「では、また教材を送りますから」などと言い、さらに新しい契約を結ばせる、という。

 

水口結貴行政書士は続けて、「内職商法に騙されると、名簿が出回ってしまう。その名簿を元にさらに勧誘電話をしていく」と教えてくれた。

騙されてたのに、なぜ複数の業者と契約してしまうのか?を、水口結貴行政書士に聞いたところ、水口結貴行政書士は「切実に収入が厳しいので、何とか“損をした分を取り戻したい”気持ちが強いようだ」話してくれた。

 

水口結貴行政書士によると「実は、別の業者が電話をかけてきている」とのこと。

初めの契約とあたかも関連があるかのように話し、「ビジネスセット」なる商品が送られてきて、信用してまた契約してしまう。

 

日本SOHO協会の川西保夫常任理事は、悪質業者を見分けるポイントとして、次のような点を挙げてくれた。

1.契約前に多額の商品を購入しないといけない(投資が必要)

2.何回もしつこく勧誘を繰り返してくる

3.金額が異常に高い

4.(商品販売の時点で)「仕事を紹介する」と何回もPRする

 

では、実際に被害にあってしまったら、どう対処するべきなのか。

村 千鶴子弁護士は、「契約書面は交付されているが、内職商法の場合に交付すべき書面ではないので、理屈上まだクーリングオフは可能」と言う。

「ただ、業者や承知でやっているので、素人が言っても相手にしない。消費生活センターに相談しないと解決できないともう」ということだった。

 

この不況の中、「うまい話」など絶対にない。国民生活センターによれば、内職商法に関する相談は、この10年間で10倍以上になっている、ということだ。

もし、こうした内職商法などに騙されてしまった場合、一人ではなかなか解決が難しい。

行政書士や弁護士、国民生活センターなどへ相談してほしい。

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テレビ朝日「スーパーJチャンネル」(2005.6.30)

被害続出!「次々販売」の最新手口とは?

埼玉県に済む高齢の姉妹が5000万円以上に及ぶリフォーム工事を繰り返され、自宅が競売にかけられるという被害が発生した。実は今、騙されやすい顧客の情報を業者が共有し、次々と契約を迫る悪質商法が増えている。

 

業者の間では、「騙されやすい人の名簿」が出回っている

こう話してくれるのは、悪質商法問題の専門家、エスクテージ総合法務事務所の水口結貴行政書士だ。

水口結貴行政書士によると、悪質業者に勤務していた社員が悪質業者を辞める時に、顧客名簿を持ち出し、自らが同じような悪質業者(会社)を作って同様の手口を行うケースもあると言う。

しかも、過去に1度でもこのような悪質業者に騙されてしまった人のリストは「カモリスト」と呼ばれ、高額で取引されていると言う。

 

狙いやすい・だまされやすい人を、何度も狙ってだます。

それが悪質業者の鉄則。

 

「悪質業者は、昔(悪質業者から)何か買った人を集中的に狙っているので、『次々販売』が流行しているのです」と、水口行政書士はさらに続けて解説してくれた。

次々販売のターゲットにされやすい、高齢者に話を聞いてみた。

 

TV局「次々販売って、ご存知ですか?」

高齢者A 「そんなの、何回もやられているよ」。この女性は、羽毛布団、印鑑、つぼと続き、最近では皇室関係の写真を自宅に送りつけられた、と証言した。

20050630スーパーJチャンネル2015112414

また、別の女性は、こう語った。

(高齢者B)「うちの家の中に、白アリが出て1回工事したら、今度は『屋根を直しましょう』とか、『風呂場が壊れている』とか、次々に…」

それぞれの工事に数十万円の高額な費用を請求されていた。

 

リフォームだけではない、次々販売の被害

次々販売の被害は多岐に渡る。例えば、Aさんの場合は…。

とても使いにくい、重い掃除機。何と30数万円。Aさんは、その時、祖母と一緒だったため、「おばあちゃんのいる、ご家庭はお安くなります」と言われ、「25万円でいい」と言われたとか。

 

これでだます! 明らかになる悪質業者の「騙しのトーク」

そして、「カモリスト」の流出で次々と販売業者が訪問してくるように

 

「布団のダニを取るのに、良い機械がありますよ」

そして、Aさんに家の毛布を持ってこさせ、毛布に掃除機をかけ始める。そして、「毛布から取れたもの」と言って、ケースから大量のゴミを見せた。さらに、「これが、ダニの死骸ですよ」と言ったため、Aさんは、ぞっとしたと言う。このトークで、業者の言うことを信じてしまったAさんは、25万円もする掃除機を買ってしまった。

しかも、その直後からAさんの家には、次々と販売業者が訪れるようになったのだ。

「名簿が出回っていたと思う…」、「許せないですね」とAさんは、語った。

20050630スーパーJチャンネル2015112420

消費者問題に詳しい法律家に聞く

法的に問題はないのか?

 

悪質商法問題に詳しい、水口結貴行政書士は

「紙・CD―ROM、あるいは宛名ラベルなど、形態によって「カモリスト」の値段は異なると指摘する。さらに、一度悪質商法の被害にあっている人の名簿は高額で取引されると言うのだ。中には1件何百円(相場は1件、数円)もする物もあると言う。

20050630スーパーJチャンネル2015112423

 

このように、一度被害に会った人の名簿は「カモリスト」として、業者間で取引され、悪用され、度重なる被害を生む温床となってしまう。

20050630スーパーJチャンネル2015112424

 高齢者だけでなく、「痩せたい」、「きれいになりたい」という女性の願望を利用するっダイエット食品や補正下着、さらには、新入社員を狙って「この教材を買わないと、前に買った教材が無駄になる」等のトークで、資格取得教材を売る次々販売も、大きな被害を生んでいるようだ。

 

 

 

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テレビ東京「西川きよしの目玉報道」(2005.6.25)

アルバイトでお見合いのサクラ?
業者は女性会員のい見合代金を免除するだけでなく「紅代」も渡していた

お見合いの度に3万円を男性は払っていたと言う。業者に取材を申し込んでみると…。
まず、女性会員が圧倒的に少ないという実状があると言う。
「サクラと単刀直入に言われても…。そういう事実は無いとしか言えない。しかし、女性会員は非常に貴重なので『紅代』(美容院代や化粧代)として、いくらか包むことはあります」
さらに、特定の女性を「特例会員」として認め、見合代金を免除するだけでなく、「紅代」を渡していたことを認めた。しかし、それは契約書にも明記してあり、男性会員も認識しているので、「サクラではない」と言う。

20050625目玉報道2015112404

これに対し、以前アルバイトをしていたというB子さんによれば…。

「その時は、“サクラ”しかいなかった」

同じ男性と何度も会ったことがあり、業者側からは「女性が男性に興味があるから(何度も会う)」。だから、業者から「男性に興味深々と言う態度で」と言われたと証言する。
業者側も「紅代をもらっている女性会員は、やはり常連になってくる」。「紅代をもらっている女性会員にお願いしようか?」という事になる、と言う。

やっている事は、“サクラ”ではないのか?という問いには、「それは、捉え方の問題」であり、「“サクラ”かどうかは、会員さんが判断すること」と問題にしない。さらに、「うちは良心的な方」と前置きした上で「パーティーなんかはほぼ100%“サクラ”」と明かした。
良い人と出会って結婚したい。そんな消費者の思いを利用する業者。規制する法律は「特定商取引法」だ。

●特定商取引法(結婚相手紹介サービスの場合)
○対象…期間が2ヶ月を超え、費用5万円を超える契約
○義務…不適切な勧誘禁止、中途解約・クーリングオフの明記等

 

特定商取引法が改正されても、後を絶たないトラブル

Cさんは、去年の夏、新聞広告で見つけた「お見合いパーティー」に気軽な気持ちで参加した。その2日後、業者から「パーティーに参加した女性がCさんを気に入っている」、
「紹介したいのですが、そのためには入会してもらう必要がある」。
結婚願望が強かったCさんは、32万円のコースに入会。
「早く契約しないと(その女性に)他の男性を紹介する」と言われた」と証言するCさん。しかも、電話は毎日かかってきたと言う。
Cさんは入会後、一人の女性とお見合いをしたが、付き合いには至らず、その後退会を申し出た。返金を求めるCさんに対し、業者は「解約は自由だが、お金は返しません」、「契約書にもそう書いてある」と強気だった。返金しない理由については、
○入会金4万円/○紹介料28万円
のため、「特定商取引法は適用されない」と主張する。

20050625目玉報道2015112406

消費者問題に詳しい法律家に聞く
法的に問題はないのか?

消費者問題・悪質商法問題に詳しい、エクステージ総合法務事務所 水口結貴行政書士に問題点を聞いてみた。
水口結貴行政書士は、契約金を一切返金しないということは、認められない。特定商取引法で中途解約は、お金を返すと決まっている、と力強く語ってくれた。さらに、Cさんの契約書を見てもらった所、「この契約書には、中途解約やクーリングオフについて書かれておらず、不備が多い」と指摘してくれた。

20050625目玉報道2015112408

業者は、自分たちがやっている事が違法だ、という事はわかっている。だから、法律家等の専門家に相談すれば、解決も早くなる。