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NHK 「10min.BOX」2007年2月20日

若者を狙った悪質商法が横行している
専門家に対策を聞いた

「消費者の権利」、「消費者教育」というテーマで、悪質商法の被害にあいやすい若者に注意点等を専門家に解説してもらった。

「契約」という言葉から、どんな事を思い浮かべますか?
契約書を作る、そこにサインや印鑑を押す…。一般的にはそんなイメージだ。しかし「契約」はそれだけではない。法律上は、品物を買うことも「契約」、言葉で約束するだけでも「契約」とみなされる。契約について正しい知識を持ち、消費者の権利について考えてみる。
お互いが納得の上で交わした契約であれば、その契約を一方的に取り消すことはできません。しかし騙されたり、強制されたりして納得いかないまま契約をした場合もあります。そんな時、どうすればいいのか、悪質商法の専門家・エクステージ総合法務事務所・代表行政書士の水口結貴さんに聞いた。

なぜ「悪徳商法」なのか? 悪徳商法の専門家が特徴を解説

水口結貴さんによれば、本来、契約というものは自分の意志で自分から店や商品に近づいていくのに対し、悪質商法は「売る側から一方的に近づいてくる」のが特徴の1つだ、ということだった。次に、悪質商法の特徴として、「だましたり強制したりして契約させること」をあげてくれた。これは、「帰りたい」と言っているのに帰さなかったり、「不要だ」と言っているのに、何時間も密室でしつこく勧誘して、契約書を書くまで帰さなかったりということ、と教えてくれた。
また、最近では10代・20代の若者をねらった悪質商法も増えている。被害者に話を聞くことができた。

女性の好意を利用した悪質商法。その実態

Aさんは、2年前インターネットを通じて「ジュエリーデザイナー」を名乗る男性と知り合った。その男性からデートに誘われ、デートの後、男性が仕事で使っているという事務所に連れていかれた。男性は「自分がデザインした」というアクセサリーを持ち出し、「あと1つ売れれば、売上がNO1になるから協力してほしい」とAさんに購入を迫ってきた。この男性に好意を持ち始めていたAさんは、最初断っていてものの、結局80万円のネックレスを買う契約をしてしまった。しかし1ヶ月経ってもネックレスは届かず、男性との連絡も取れなくなってしまった。これは「デート商法」と呼ばれる手口で若い女性の被害が後を絶たない。

そのほか街頭で人に声をかけ、商品やサービスを売る「キャッチセールス」にも注意したい。中には、嘘をついたり無理やり商品を購入させるなどの強引な方法が問題になっている。
街頭で声をかけられ、断っているにも関わらず腕をつかまれ無理やりビルの中に連れ込まれた、という女性や、歩いていた所に「サンプルをあげるから」と言われて、ついていったところ、担当者が現れ、長時間に渡り化粧品の勧誘を受けた上、「いらない」と言うと相手が怒り出して不快な思いをしたという。
国民生活センターによれば、2005年度のキャッチセールスに関するトラブルは6,898件にものぼる。そのうち80%を10代・20代の若者が占めている。

突然、身に覚えの無い電話。そこに悪質商法の罠が

Bさんは独り暮らしを始めたばかりの時、ある電話を受けた。第一声は「当選おめでとうざいます」。商品が当たったので取りにきて欲しいと言われた。Bさんは心あたりが無かったものの、無料でもらえるなら…と指定された場所に行ったところ、当たったという商品の話はなく「3万円払えば、もっといい化粧品が手に入る」と言われ、商品を買わされてしまった。これは「アポイントメントセールス」という手口。狙われるのは独り暮らしの若者が多く、卒業生名簿等を悪用している場合もあるとみられます。

販売目的を隠して、独り暮らしの部屋にあがりこむ悪質業者

独り暮らしのCさんは、ある日「布団の無料点検」という訪問を受けた。男は部屋に上がり込み、Cさんの布団を調べ始めた。そして「この布団はダメです」「ぐっすり眠れないですよ」等と言い、新しい布団を売りつけてきた。訪問販売では、必要無い物を強引に売りつける場合があり若者の被害も少なくない。
「訪問販売では、自宅を知られているため「仕返しをされるのではないか」と、怖くなって契約をしてしまう場合が多い」と水口結貴行政書士は指摘する。
この他、架空のもうけ話を持ちかけ、高額な商品を買わせる「マルチ商法」等、悪質商法の手口は様々だ。
納得できない契約をしたときの強い味方  「クーリングオフ」

もしも納得できない契約をしてしまった場合、その契約がまず、クーリングオフができる契約かどうか確認すること。クーリングオフができる場合は、必ず法律で決められた期間内に手続を行うこと。もしもクーリングオフができない場合でも、業者の対応や契約書の内容に不備があれば、消費者契約法等で解約できる場合もある。諦めずに、早めに法律専門家に相談することが大切だ。
クーリングオフは、必ずハガキ等の書面で行い、簡易書留か配達記録郵便等、記録が残る手段で送る。くれぐれも、電話等で簡単に済ませようとはしないことも重要。口頭のやりとりでは、後々「言った・言わない」の議論が出ても証拠が残らず、消費者が不利になってしまうからだ。
契約を交わす前によく考えること。
そして、被害にあった場合は法律専門家に相談すること。この2つを徹底したい。

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J-WAVE 「JAM THE WORLD」2007年2月26日・27日・28日

もしも、あなたが「クーリングオフ」を知らなかったら?

(2007年2月26日)
英会話のノバが、解約を巡り特定商取引法と東京都消費生活条例に違反する恐れがあるとして、経済産業省と東京都の立ち入り検査を受けていたことがわかりました。
さらに、クーリングオフを巡ってトラブルになるケースも起きています。
そこで、「もしも、あなたがクーリングオフを知らなかったら?」と題して紹介します。

今日は、クーリングオフの有効期間「8日間は、いつから数えて8日間か?」。
クーリングオフ・ネットを手掛ける、エクステージ総合法務事務所の行政書士 水口結貴さんに解説していただきます。

水口結貴行政書士
クーリングオフは、消費者の側から一方的に、無条件に解約できる制度です。
クーリングオフができる契約は、法律で定められていて、例えば訪問販売や電話勧誘販売、キャッチセールス、マルチ商法などです。こうした、不意打ちで向う(業者)から近づいてきて何か契約をしてしまった、こうした取引に限られています。通信販売や店舗での契約などのように、事前にカタログで検討できたり自分の意思で店舗に行った場合は、クーリングオフはできません。

また、クーリングオフは「できる日数(期間)」が決まっていて、基本的には8日間です。ただ、この8日間というのは契約をした日から数えるのではなく、「クーリングオフができる」と記載されている契約書を受け取った日から8日間」です。この間であれば、無条件で解約できます。
無条件というのは、例えば払ったお金があれば全額返してもらえる、損害賠償などもありません。
しかし今回のノバの場合は、クーリングオフとは別の「中途解約制度」があります。これはクーリングオフを違って、日にちは関係なくいつでも中途解約ができます。そして、中途解約の場合は、費用の精算や解約の精算の上限についても法律で決まっています。
国民生活センターによれば、英会話教室を巡る相談は2006年までの6年間でおよそ1万9千件に昇り、このうち「ノバ」に関する相談は約5200件。経済産業大臣は「ノバは相談件数が突出しており、問題があると思う。同業他社にも問題がないか注意を払っていきたい」と述べました。
水口結貴行政書士、ありがとうございました。

(2007年2月27日)
英会話のノバが、解約を巡り特定商取引法と東京都消費生活条例に違反する恐れがあるとして、経済産業省と東京都の立ち入り検査を受けていたことが明らかになりました。さらに、クーリングオフを巡ってトラブルとなるケースもあるようです。
そこで、「もしも、あなたがクーリングオフを知らなかったら?」と題して紹介します。

今日は、「クーリングオフが適用されないのは、どういう場合か?」。
クーリングオフ・ネットを手掛ける、エクステージ総合法務事務所の行政書士 水口結貴さんに解説していただきます。

水口結貴行政書士
クーリングオフができない場合とは、例えば店舗で購入した場合や通信販売、自動車などはクーリングオフはできません。通信販売や店舗での契約のように、あらかじめカタログをじっくり見る時間があったり、自分の意思で店舗に出向いて、商品を選びながら買った場合には、クーリングオフは適用されません。

その他、3000円未満の商品を購入して同時にお金を支払った場合や、消費者としてではなく事業者(店舗)として購入した場合もクーリングオフはできません。
また、健康食品や化粧品などの「消耗品」を、一度使用してしまった場合も解約はできません。ただし、こうした場合でも解約できる場合があるので、消費者センターや法律家に相談された方がいいでしょう。

その他、クーリングオフができないものに以下があります。
○1ヶ月以内のエステティック契約
○2ヶ月以内の学習塾、語学塾、家庭教師などの契約
○5万円以内のエステティック契約、学習塾、語学塾、家庭教師などの契約
○消耗品を使用した場合
同様の商品を20個購入し、1個だけ使用した場合、残り19個はクーリングオフができる。

なるほど。1口に「クーリングオフできない」と言っても、こんなに細かい条件があるのですね。
水口結貴行政書士、ありがとうございました。
(2007年2月28日)
英会話のノバが、解約を巡り特定商取引法と東京都消費生活条例に違反する恐れがあるとして、経済産業省と東京都の立ち入り検査を受けていたことが明らかになりました。さらに、クーリングオフを巡ってトラブルとなるケースもあるようです。
そこで、「もしも、あなたがクーリングオフを知らなかったら?」と題して紹介します。

今日は、「クーリングオフを上手に活用する方法は?」。
クーリングオフ・ネットを手掛ける、エクステージ総合法務事務所の行政書士 水口結貴さんに解説していただきます。

水口結貴行政書士
クーリングオフは「できる期間」(日にち)が決まっているので、「納得いかない契約だな」と思ったら泣き寝入りせず、法律家や消費者センターに相談してみる、あるいはまだ契約書を受け取ってから日にちが経っていないなら、クーリングオフをするのが1番良いと思います。

クーリングオフの書面の書き方ですが、特に決まっているわけではありません。
「○月○日、●●の契約をしたが、これを解約します」ということだけ書いてあれば大丈夫です。
相談窓口は、全国にある消費者センターであれば無料で相談に応じてくれます。
もしくは、インターネットでも法律家が相談に応じている所があるので、こうした所を利用するのが良いでしょう。

悪徳業者の場合、クーリングオフ期間を偽る場合があります。
正確には、「クーリングオフができる」と書かれた契約書などを受け取ってから、8日間もしくは20日間がクーリングオフ期間なのに、業者によってはこうした書面を発行していない場合があります。そして、「契約日から8日間を過ぎているので、クーリングオフはできない」と嘘をつく場合があります。しかし、本当は「クーリングオフができる」と書かれた書面を受け取っていない限り、いつでもクーリングオフができます。この他、居留守を使ってみたり、のらりくらりと応じない場合や、脅したりクーリングオフを妨害するケースもあります。
このような場合は、「クーリングオフ妨害」が無くなるまで、クーリングオフ期間が延長されます。
なるほど。何か納得がいかない、不当な契約だなどと思ったら、すぐに消費者センターや専門家に相談した方がいい、ということです。泣き寝入りはしない、ということですね。
日本の消費者はやはり、おとなしいような印象があります。
お金を払っているわけですから、それに見合った価値があるのか、良い意味でのクレーマーになるべきではないでしょうか。
水口結貴行政書士、ありがとうございました。

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レインボータウンFM 「ソウルミュージックが好き」(2009年7月11日)

クーリングオフ制度について

このコーナーでは、その業界で活躍されている方をゲストにお招きして、職種にまつわる話を聞いて、社会性を磨こう!というコーナーです。

今回のゲストは、エクステージ総合法務事務所 行政書士の水口結貴さんです。

水口結貴行政書士のご紹介です。
東京生まれで、慶応大学を卒業し行政書士資格を取得され、現在は行政書士エクステージ総合法務事務所代表、エクステージ株式会社の代表をされています。
消費者問題の解決を得意として活躍されており、テレビ番組や新聞、雑誌などマスコミからの取材も多数受けておられます。
また、経営コンサルタントとして企業の業績向上と人材育成にも注力されています。

まず、行政書士という仕事はどのようなものなのでしょうか?
水口結貴行政書士
-法律の仕事ですね。例えば、会社を作りたいや営業許可など。また個人の方のサポートもしています。例えば、友人にお金を貸したけど返ってこない、や相続など。幅広くやっています。

なるほど。
水口結貴行政書士は、悪徳商法問題の第一人者として、これまで4000人以上の悪徳商法被害者を救済されてきました。
悪徳商法とは、例えばどんなものがあるのでしょうか?

水口結貴行政書士
-例えば「内職商法」があります。
自宅で副業を始めたい、という人に「副業ができますよ」と持ち掛けて高い教材を買わせる。しかし仕事は回ってこない、もしくは仕事の報酬が支払われない、などということがあります。

そんなこともあるのですね。本当に悪徳ですね。
お金が欲しい人から、お金を取ってしまうのですね。

水口結貴行政書士
-その他、皆さんも経験があるかもしれませんが、街角で声をかけられて、そのまま連れて行かれて契約させられる、というキャッチセールスなどもあります。

ああ、テレビで見たことがあります。
「手相を見ますよ」と言われて、そのまま連れて行かれて、お守り等を大金を出して買わされていました。

水口結貴行政書士
-はい、それもありますね。

お仕事の内容としては、どんなことになるのでしょうか?

水口結貴行政書士
-そうですね。書類を作ることが中心です。内容証明郵便を作ることも多いです。

そうした書類を作ると、悪徳商法の業者に「勝てる」というか、支払をしなくてもよくなるのでしょうか?

水口結貴行政書士
-そうですね、「解約したい」という意思表示(“クーリングオフ”と言いますが)を、きちんと内容証明郵便で送ると、効果がしっかりします。

私は、地方の出身なのでよく声をかけられます。絵を販売する会社に連れて行かれたこともあるし…。

水口結貴行政書士
-そう、キョロキョロしているとよく声をかけられますね。

私達は20代なんですが、この年代が注意しないといけない悪徳商法は、どんなものがありますか?

水口結貴行政書士
-そうですね。若い女性の方であれば、エステ等は気を付けた方がいいですね。

なるほど。勧誘も結構ありますよね。
よく、街で配っているフリーペーパーに「今なら、おためし0円」とか「無料体験」とかありますが、見ると行きたくなります。

水口結貴行政書士
-もちろん、大部分はまともな業者だと思います。
しかし、中には一部の業者が「無料体験」ということをエサに呼んで、エステでは当然、荷物も預ける、洋服も着替えてガウンになりますよね、そういう状況では「逃げられない」。
そんな中で、ガンガン勧誘をして、もっと高いコースを迫ってくる、ということもあるようです。

断ったら、怖いお兄さんが出てくる、ということもあるのでしょうか?

水口結貴行政書士
-いや、そういうことではなく、裸同然で、施術内容によっては器具なども付けられているので、買わないとどうしようもない、という状況なんですね。

…それは、怖いですね。確かに「逃げられない」ですね。
そんな状況で「契約せざるを得ない」ことになって、「契約書を書いてしまった」ら、どうなるのでしょうか?

水口結貴行政書士
-そんな場合でも、8日間以内なら「クーリングオフ」ができます。

どんな契約でも、クーリングオフができるのでしょうか?

水口結貴行政書士
-いや、商品・契約内容によって、クーリングオフができるものとできないものがあります。ただ、キャッチセールスなど相手(業者)側から近づいてきたものは、大抵がクーリングオフできます。
エステであれば「中途解約」ができます。

なるほど。
でも「クーリングオフ」は聞いたことがありますが、どうやってしたらいいのかが、わかりません。どうすればいいのでしょうか?

水口結貴行政書士
-はい、簡単に言うと「解約をしたい」ということを相手(業者)側に伝えることです。しかし、気を付けるポイントが1つあります。
それは、絶対に「電話をしない」ということです。

あ、そうなんですか?

水口結貴行政書士
-はい。電話をすると業者から「何でですか?」と理由を聞かれたり、「もっと契約してくださいよ」と言われたりします。
そこで、ハガキでもいいので必ず「手紙を出す」ことです。これがとても大切です。

なるほど、そうなんですね。
ただ、書いても「そんなの届いていませんよ」等と言われて、実は相手にハガキを捨てられてしまう、ということはないのでしょうか?

水口結貴行政書士
-そうですね、ですから配達記録など、きちんと日付の記録が残る方法で送る、ということが大切です。

なるほど、勉強になりました。ありがとうございました。
もしも、何かあったら水口結貴先生にお願いします。

水口結貴行政書士
-いいえ、何もないのが一番ですよ。

水口結貴行政書士、本日はどうもありがとうございました。

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TBSラジオ「森本毅郎スタンバイ!」(2009年12月8日)

「現場にアタック」コーナー

今日は「悪徳商法」について、調べてきました。
先週、大阪の相談員が相談件数が多すぎて困り、受話器を上げっぱなしにして、「話中である」と偽装した事件がありました。
大阪の消費者センターを擁護するつもりはありませんが、実際に消費者問題の相談は、増えているのです。
そこで、今日は「悪徳商法の危険性と対処法」について専門家の方にお話をうかがってきました。
お話をうかがったのは、エクステージ総合法務事務所の代表、水口結貴行政書士です。
まずは、どれだけ悪徳商法が身近にあるのか「今、そこにある危機」について聞いてきました。

水口結貴行政書士
-若い人の場合、やはりインターネットを通じての悪徳商法が目立っています。
逆に、高齢の方、年配の方ですと訪問販売や電話がかかってきて勧誘される。または、新聞広告などの公告物を見たことが被害を受けるきっかけになるなど、年代によって違いがあります。

誰もが「騙されないように」と気を付けているはずですが、やはり、ちょっとした「心の隙」を狙われてしまう、ということがあります。
例えば「寂しい」という気持ちや、経済状況の問題から「お金を稼ぎたい」という欲であったり。
そうした気持ちをうまく煽って契約させる。
そうした口八丁手八丁のプロが、いわゆる「悪徳商法」ですから、気を付けていても、何か拍子にグラッときてしまうんですね。

(森本毅郎)すごく、うなずいているじゃないですか。
(女性パーソナリティー)私、危ないな~。「欲」か…。
(コーナー担当 男性パーソナリティー)「心の隙」ですよ。最近、「寂しい」とかはないですか? 毅郎さんも「欲」をかいてしまっては…。
(森本毅郎)いやぁ、あるね。
(コーナー担当 男性パーソナリティー)(悪徳商法に)引っかかる可能性が十分、ありますよ。
実は今、駅売りの新聞やコンビニにある雑誌の広告、こうした物にも悪徳商法が入ってきているんです。
(森本毅郎)あ、そうなんだ。
(コーナー担当 男性パーソナリティー)さらに、インターネットの発達で、騙す側も騙される側も身近な存在になってきています。
どんな手口があるのか?も、水口結貴行政書士に聞いてきました。

水口結貴行政書士
-例えば、比較的若い方が被害を受けるパターンですと「情報商材」というものがあります。小冊子であったり、何かのマニュアルの販売です。
「このようにやると、副業になります、収入を得ることができます」という内容が乗っているんですね。
購入して、その通りにやれば誰でも簡単に「月に100万円を稼ぐことができる」とか。同じような物に、パチンコや競馬などのギャンブル関係の「攻略情報」もあります。
「ノウハウを教えるので、代わりに幾ら払ってください」というものです。
こうした「情報商材」が非常に増えています。

高齢者の方の場合は、「訪問販売」というものがあり、布団の販売も相変わらず多いです。「布団の点検をさせてください」と言って家に入り、布団を見て「クリーニングしましょうか」、「その間は、これを使ってください」と新しい物を置いていって、無理やり購入させてしまう、などのやり方もあります。

(森本毅郎)布団なんて、まだやっぱり引っかかるんだね。
(コーナー担当 男性パーソナリティー)オーソドックスな手法から、最先端の手法まであるようです。
例えば、「アメリカンエキスプレスのブラックカードの入手方法を教えます。代わりにお金ください」というものなど。

(悪質商法が狙う)年齢層も「若いから、大丈夫」というものでもなく、携帯電話やインターネット通じて、悪徳商法に引っかかる若者も多いようです。
また、最近は小学生の親からの相談もある、ということです。

自衛の方法として、「インターネットで(業者名などを)検索する」という方法があります。すると、被害者の体験談や騙していた側からの投稿、というものもあるようです。
例えば、「悪徳商法の被害者が語る」ページを見てみました。
そこには「勝手に家に上がりこんで、『白アリがいる。このままでは家が傾く』と言われて、勝手に駆除用の扇風機を「これでもか」という位、床下に付けられてしまった高齢者の方とか。
お値段は何と、700万円。

逆に「悪徳商法の撃退法」という、悪徳商法撃退に成功した例が載っているページもありました。
そこには「先物取引」について「絶対に儲かりますよ」と業者に言われたら、「じゃあ、なんであんたがやらないの?」と切り返してみた、「ローンも組めますよ」と言われたら「じゃあ、月々100円の3万回払でいいか?」と言ったら業者が電話を切った、「宗教? わからないー」と無知を装うと相手が電話を切った、などの例がありました。

ただ、インターネットはこうした解決方法も書いてあれば、一方で悪徳商法の「巣」でもあるので、やはり心に「隙」があると付け込んでくるぞ、と注意していきたいですね。

そんな立場の弱い消費者を守るために「特定商取引法」という法律があります。この法律は、訪問販売、通信販売、電話勧誘販売などを規制するもので、この12月に改正されたばかり、です。
どんな点が改正されたのか、これも水口結貴行政書士にうかがってきました。

水口結貴行政書士
-これまで(法律)に、たくさん「抜け穴」があった、それを業者が突いてきた。
それを防いでいこう、ということで改正が行われました。
大きく改正された点だけを簡単に言うと、これまで法律で決められた商品、決められたサービスだけがクーリングオフの対象だったものが、原則「すべての商品、サービス」がクーリングオフの対象になりました。

次に訪問販売について、「もう、これからは契約しません」と消費者が言った場合、それ以上、勧誘をすることが禁止されました。また、大量に物を買いこみさせてはいけない、など訪問販売について規制が厳しくなりました。

3番目には、クレジットに関する規制が厳しくなりました。そして、インターネットの取引についても「返品」が加わりました。大きな所では、この4点になります。

(森本毅郎)大分、改正はされたんだね。

(コーナー担当 男性パーソナリティー)かなり、厳しくなったということでした。補足で加えますと、クレジット業者に対して「支払能力の調査」を義務付け、支払能力を超える与信を禁止しました。
また、訪問販売について「要らない」という意思表示を消費者がした場合は、それ以上つきまとったり、しつこく「要りませんか?」と勧誘することを禁止しました。

相当、厳しくはなっているのですが、悪い奴というのは「頭がいい」ということもあります。常に、法の抜け穴を見つけて、付け込んでいくということをやります。
では、この改正法は「抜け穴」はないのでしょうか?

水口結貴行政書士
-クレジットの規制が強くなったということで、特定のどこかクレジット会社を使って高額商品を無理やり契約させる、ということは、やりづらくなったと思います。

そこで今後、何か(法律の)「網の目」をくぐろうとすると、業者が何とか自社(自分達)で分割払の仕組みを考えたり、どこかから借入をさせて、自社に支払わせるとか、代金の支払方法について抜け道を考えていくのではないか、と思います。

もし、悪徳商法の被害に遭ってしまったら泣き寝入りをするのではなく、法律家や消費者センターなどへ相談に行くということをしてほしいです。
そうした声が多く集まることで、また法改正へとつながっていくと考えます。
くれぐれも「泣き寝入りをしない」ということが、大切です。

(森本毅郎)この法律を厳しくして、違反した人間はちゃんと罰則はあるんだよね?

(コーナー担当 男性パーソナリティー)はい、改正前もちゃんと罰則があった、と言えばあったんです。懲役が付く場合もあったのですが、それが今回少し厳しくなりました。例えば、契約の時に嘘をついていた場合。
これまで「懲役2年」だったのですが、「懲役3年」に引き上げられました。このように、罰則もどんどん厳しくはなってきています。

(森本毅郎)これで、被害が全部なくなるとは思えないけれど、騙されない方法というのは、自分で相当気を付けていかないとなぁ。

(コーナー担当 男性パーソナリティー)「心の隙」を作らない、ということだけですからね。
そして、水口結貴行政書士もお話されていたように「泣き寝入りをしない」、「声を出して世に訴えていく」ということで「次の被害者を出さない」。
これぐらいしか、できることがないですよね。
それだけに、相談先の消費者センターが電話(受話器)を上げっぱなしというのは、勘弁してほしいですよね。