post

「日本経済新聞」2004年2月21日

「クーリングオフ・ネット」で、全国どこからでも
悪徳商法被害の相談ができる

「クーリングオフ・ネット」 http://www.coolinng-off.net
突然の訪問販売やセールス電話に悩まされる。うっかり契約してしまったが、冷静に考えるとやはり、契約を取り消したい…。
こんな場合、「クーリングオフ」という制度を使うと契約が解除できる。「クーリングオフ・ネット」は、契約解除の代行や悪徳商法の被害を相談できるサイトだ。行政書士エクステージ総合法務事務所(東京都)が運営し、24時間、日本全国からの相談に応じている。
悪徳商法の手口は巧みになる一方だ。個人で解約の連絡をすると無視されてしまったり、はぐらかされる場合もある。消費者センターが開いている時間には動けない人、誰にも相談できずに不安な人は利用してみるといい。
過去に扱ってきた様々な悪徳商法も紹介されているので、事例や手口をこのホームページで知っておくと被害防止につながるだろう。
解約手続が自分一人では荷が重い場合は、契約解除手続の代行を頼むこともできる。悪徳商法で困ったら、一人で悩まず相談してみよう。

post

週刊 「ザ・リフォーム新聞」2004年3月30日

悪質訪問販売会社よ、去れ!
特定商取引法 改正の波紋
販売目的の無料点検は違法に

「床下の点検でおうかがいしました」-。
などと嘘を言って、床下に換気扇を取り付けるなどの「点検商法」の規制が強化される。訪問販売のリフォームに関する苦情が最近急増し、社会問題化している。行政規制が厳しくなることで住宅リフォーム業界の健全化がされている。

訪問の目的を偽った業者には契約解除が可能に

今回の法改正で初めて、点検商法に規制がかかる。「無料点検だ」と嘘を言って消費者を安心させ、不要な工事を行ったり、商品を販売する被害が増加しているためだ。
それが、今回の法改正で「販売目的を告げること」が「義務化」された。
販売目的の点検業務であることを消費者に告げない場合、たとえ現場で消費者が工事を依頼されても違法行為になる。
また、このような事態を想定して消費者保護も強化された。例えば、違法な勧誘によって消費者が誤認して契約を締結した場合、消費者は契約解除ができるようになった。改正前は刑事罰則規定はあっても、契約解除はできなかった。さらに、クーリングオフを妨害した場合は、妨害が解消されるまで消費者はクーリングオフができるようになった。
住宅関連の悪質訪問販売の相談が全国各地の消費生活センターに数多く寄せられている。昨年度の特定商取引法改正でも、住宅に関連する規制対象商品や役務は大幅に増加しており、住宅設備の大半の商品の販売、そして設置が指定対象になっている。

悪質業者 年間100件を摘発

法改正、規制強化で摘発件数も増加している。昨年5月、福岡県警によって訪問販売業者が一斉摘発された事件は話題になった。これらの会社は、浄水器販売の勧誘に当たって、虚偽説明を行っていた。
「水道水の無料診断」をキャッチフレーズに訪問し、コップに入れた水道水に液体を入れて変色させる。そして変色した水を消費者に見せて「こんなに濁るのは、水道水に発がん性物質が入っている証拠だ」などと言い、そして「当社の浄水器をつければ、ガンにならずに済む」などと消費者を騙して販売していたという。
その他、高齢者を狙って「天井にシロアリがいる。すぐに補修しないと家が倒れる」といって高額な工事代金を騙し取った事例や、同じく高齢者を狙って「床下の湿気が多くて、このままでは家が腐って傾く」などと恐怖心を煽って工事契約をさせたり、1憶円以上をだまし取った例などがある。

相談件数2年で2倍の1万件に

国民生活センターによれば、相談件数はここ数年、急増していて、2000年から2002年のわずか2年で、約2倍の11,657件になっている。こうした実際の相談の影に、表面化していない問題も多いことを考慮しなければならない。
また、住宅リフォームに関する消費者トラブルも年々増加している。平成15年では、1万件に迫る勢いだ。このうち、70%が訪問販売に関する相談だ。

高齢者「仕返しが恐い」と泣き寝入りも

悪質商法の被害相談やクーリングオフの代行サービスを行う「クーリングオフ・ネット」を運営するエクステージ総合法務事務所・水口結貴行政書士に被害の実態をうかがった。
「悪質訪問販売の被害者で多いのは、一人暮らしの高齢者です。訪問販売の場合、“自宅を知られている”ので、クーリングオフしたら嫌がらせや脅しを受けるのではないか…と思ってしまう。だから、解約しづらいのです。実際、泣き寝入りしている方も多いようです」。
水口結貴行政書士が運営する「クーリングオフ・ネット」には、月に800~1000件の問い合わせがあり、住宅に関する相談が約2割を占めているという。法改正の影響をうかがった。 「今回の特定商取引法の改正では、点検商法と販売形態を特定して規制対象にしています。さらに、販売目的を明言することを盛り込んでいたり、万が一のときも契約解除がしやすいようになっています。これらの法改正によって、悪質事業者は営業がしづらくなるでしょう」。

実際、業界内部でも「リフォーム業界で、訪問販売という営業形態はもはや成り立たないだろう。完全に消費者からの信頼を失っている。他の営業手法へ切り替えるか、廃業するしか道はない」といった厳しい声が出ている。これまで「無法地帯」と言われるほど、行政の規制が緩かったリフォーム業界。この特定商取引法の改正でリフォーム業界が健全化することが望まれている。

特定商取引法(旧:訪問販売法)
訪問販売など消費者トラブルが発生しやすい取引形態を対象に、トラブル防止の規則を定めている。事業者の不正な勧誘行為などを規制することで、消費者取引の公正を確保するための法律。

消費者契約法
特定商取引法と異なり、全ての事業者と消費者の取引について、消費者を保護しようと一般的なルールを定めている。契約の取消についても、従来の詐欺、脅迫に加え、消費者の健全な意思決定が妨げられた場合にも取消ができるとしている。

クーリングオフ・ネット http://www.coolinng-off.net
エクステージ総合法務事務所が運営するサイト。
全国から寄せられる、訪問販売被害などの相談に応じている。訪問販売に関する相談は2割程度を占めている。内職商法に関する相談が急増していて、全体の6割を占めている。

 

post

関西テレビ「痛快!エブリデイ」2004年5月19日

被害者が話す、悪質商法の手口と
専門家に聞いた「騙されないための方法」とは

普段何気なく生活しているとあまり関係がないはずの「悪徳商法」。しかし、「つい、うっかり」と騙されてしまう人も多い。身近な人に「架空請求のメールが来た」や高齢者を狙って、最初は景品等を配るだけなのに、そのうち「この鍋でご飯を炊くと美味しくなる」、「この鍋は、孫の代まで使える」などと言い、30万円以上する鍋を買わされそうになった、等の話を聞く。
そこで、今日は実際に被害にあった方の話を元に悪質業者の騙しの手口を紹介する。
さらに悪徳商法の相談を多数受けている専門家、エクステージ総合法務事務所の水口結貴行政書士に「悪徳商法に騙されないための方法・テクニック」を聞いた。

「あなたは悪徳商法に騙されたことがありますか?」 街で聞いてみた
例えば、ある女性は「化粧品を買ったら、無料でエステが付いている」と言われて、買ったころ、店員から「これも、あれも、あれも…買ってください」とどんどん勧められ、結局、高額な支払になった、という女性。
他に「アメリカの掃除機で38万円」を買わされた女性は、クーリングオフで電話をしたら、「相手がヤクザみたいな口調になって…」と非常に怖い思いをした、と話してくれた。
そのほか、「勝手に名簿を使われて、家に電話がかかってきて、最初は美味しい話ばかりするんですよ。主婦の方もたくさんやっている、とか、月にいくら稼げるとか。それで乗り気になったら、“じゃあ、先行投資で60万必要”って…」や、「周りに、悪質商法の被害にあった人が多い。出会い系で知りあって、会いに行ったら化粧品を売られそうになったとか、聞いている」という人も。
さらに「子どもの成績を上げてくれる、というので、教材を買わされたしまった」と話す女性が払った金額は、なんと「150万円」。支払は3年間、続いたという。因み、お子さんは結局、勉強はしなかった…とか。
また、「実家に帰る度に、物が増えていて驚く。めちゃくちゃ高い鍋とか、高い布団とか、掃除機とか。肌に乗せるだけで治る金属とか…」と困り顔の人も。
今回は「自宅で、手軽に収入を得たい」。そんな主婦を狙った「内職商法」や、出会いを求める男性をデート気分にさせて、高額商品を売る「デート商法」、無料体験という甘い言葉をエサに次々と高額商品を売りつける「無料商法」などを紹介する。

悪徳商法の実態に迫る! わたしはこうしてダマされた…
今回、紹介するのは、内職商法、デート商法、無料商法。
いずれも悪徳商法の中でも被害例が多いものだ。

(出演者)
そのまんま東 遥 洋子 トミーズ健
エクステージ総合法務事務所  代表行政書士 水口結貴

年々、被害が拡大している悪質商法。どんな人が「ダマされやすい」のか? あなたは大丈夫でしょうか? そこで今回、行政書士 水口結貴さんの監修で「ダマされ度チェック」を作成し、実際にやってみた。

あなたの「悪徳商法」ダマされ度チェック
例)無料プレゼントや懸賞などお得な話に弱い
好みのタイプの異性に言い寄られると弱い
ニュースや世の中の動きにあまり敏感でない
相手を拒否して気まずくなるのは避ける
他人をすぐに信用したり、人の意見に流される …など

そして、これらの質問に対して「Yes」がいくつあるかで、あなたの「ダマされ度」がわかる。
Yesが多いほど、「騙されやすい」人と言えるだろう。
特に「無料プレゼントや懸賞などお得な話に弱い」や「好みのタイプの異性に言い寄られると弱い」といった項目は、殆どの人があてはまるのではないだろうか。
また、「今の自分の現状に満足していない」という項目について言うと、例えば、収入や見た目など自分にコンプレックスがあると、そのコンプレックスに付け込まれてしまう。そして「もっとお金持ちになれる」、「もっときれいになれる」といった業者の勧誘に乗ってしまうのだ。

それでは、実際の悪徳商法の被害を紹介していこう。
¬¬¬¬¬¬¬
悪徳商法のターゲットになるのは…。その1 子育て中の主婦

そして、こうした子育て中の主婦を狙うのが「内職商法」だ。水口結貴行政書士に、内職商法を解説してもらった。水口結貴さんは、「在宅でできる仕事を紹介するので、それで稼ぎませんか?」と言われながら、実際は「勉強してもらう必要があります」ということで、高い教材を買わされてしまう、やり口だという。

(被害者の証言を元にした再現VTR)
「自宅で2~3時間で、6~7万円を稼げると言われたので…」と語るのは、吉田あけみさん(仮名・36才)。彼女は家事と子育てに追われる日々を過ごしている。小さな子どもを抱えながらの生活は決して楽ではなかった。
「家計も苦しいし、そろそろ仕事を差がなきゃ…」と考えていた頃、インターネットで「在宅ビジネス」の文字を発見。資料請求をすると早速、パンフレットが届いた。そこには「パソコンの資格を取得したら、在宅でできる仕事を確実に紹介する」と書いてあった。
また、報酬例として「月に8万~10万円」の報酬が得られると説明されていた。
「子どもが小さいので、外で働くこともできないし」、「内職だと月に2万円稼ぐのがやっと」なので、「生活費の足しにしたり、子どもの習い事とかに回せれば」と思っていた、という。
そんなとき、一本の電話が。資料請求をした業者からだった。

「パソコンを使ったことがない」と不安がる吉田さんに対して、業者は「大丈夫ですよ」と即答した。「まず、資格を取っていただくんですが、うちの優秀なスタッフがサポートします」、「合格さえしてくれれば、確実に仕事を回します」。
「合格したら、本当に仕事がもらえるんですか?」と吉田さんが聞くと、業者は「もちろんです。仕事はさばききれないどあります」と言い切った。

問題の会社は、依頼先か受けた業務を吉田さんのような契約者に「業務委託」する。そして成果物が納品されれば、報酬を払うという仕組みだ。
業者は続けて「小さいお子さんが居て、外にパソコンを習いに行くのが難しいなら、うちの教材を使って勉強してもらえればいい。すぐに合格できますよ」と言った。

「65万? それは無理です」とあけみさんが断ると、業者は毎日電話をかけてきた。
「今だけ募集」「がんばる人は10万円~15万稼いでいる」という甘い言葉を信じて契約してしまった。
あけみさんは猛勉強したが、合格できない。そして、毎日のようにきていた業者からの電話はこなくなった。消費者センターに問い合わせすると、業者は倒産していた。
計画倒産する業者もあるという。

ダマされる手口(業者が良く使うトーク例)
1)最初に何か、高額商品を買わされる。
2)資格は簡単に取れますよ(あなたが、がんばれば)
3)毎月、5万くらいになりますよ

内職商法にだまされないために
1)見知らぬ人からの電話勧誘はご用心
2)契約を急がされても即断しない
3)契約前に業者の評判を調べておく

行政書士 水口結貴さんの「格言」
ちょっと待て、最初に金とる内職話

悪徳商法のターゲットになるのは…。その2 出会いを求めている男性

言葉巧みに恋愛感情を利用しながら、高額商品を買わせる商法。「平均は130万円です」と水口結貴さんが教えてくれた。
出会い系サイトにはやがて、まだ会ったこともない「サトミ」に恋心を抱くようになった。そして、顔を会わせることになった二人。
予想以上の女性だった「サトミ」に有頂天になるマサオ。そして、サトミはデートの最期に「アクセサリーを選んであげたいから、うちに会社に来て」と言われた。
後日、マサミの会社に行ったマサオにマサミの会社の「社長」がジュエリー(指輪)を選んできた。そのまま「15万円」の契約書を持ってきたマサミ。言われるがまま、契約書に記入してしまった。
しかし、指輪を購入してから10日間を過ぎると、電話がつながらなくなった。それは「8日間」というクーリングオフ期間が過ぎたからだった。

デート商法の手口
1)メールや電話で、さりげなく職業や収入を聞いてくる
2)クーリングオフ期間(8日間)が過ぎるまで恋人を装う
3)契約書だけでなく、アンケートにも記入させる

水口結貴さんが、こうした業者が用意するアンケートの意味を教えてくれた。それは、後になって「案内と聞いていませんでした」と言われないために書かせるものだ、という。

デート商法にだまされないために
収入など個人情報を聞いてくる場合はご用心。
店に連れて行かれても契約しない。

行政書士 水口結貴さんの「格言」
出会い系 即アポ女性にはご用心

悪徳商法のターゲットになるのは…。その3 出会いを求めている男性 時間のある学生、主婦

路上で声をかけられた伊藤さん。「うちの店で、無料体験キャンペーンをやっている」との言葉に釣られて店へ。貴重品を預け、ガウン一枚になり1時間の痩身体験を受ける。ガウンのまま個室へ。そして現れた女性は、伊藤さんの理想とするキレイな女性だった。その女性が「この施術を受けて、変わった」など、エステサービスの内容の説明を始めた。勧誘されること4~5時間。ガウン一枚で、ほぼ裸だったこともあり、逃げられない。ローン総額は約100万と高額だが「一生モノの付き合いよ、月々たった1万円よ」等の言葉に乗せられ、契約することになってしまった。

無料商法 騙しのテクニック
●ガウンのまま別室に移動させられて、勧誘を受ける
●帰ろうとすると無理やり引き留めて勧誘を続ける
●無料体験の後、高額商品を買わせたり、契約させる

行政書士 水口結貴さんが語る「対策」
●無料だからと言われてもついていかない
●友人などと一緒に店に行き、一人ではいかない
●契約を急がされても即断しない

法律で中途解約が認められているもの
エステティック
語学教室
家庭教師派遣
学習塾
パソコン教室
結婚情報サービス

水口結貴さんによれば、業者はこうした中途解約ができないように「役務」ではなく、わざと「商品売買」として契約をさせるケースもある、という。注意が必要だ。
行政書士 水口結貴さんの「格言」
しつこい勧誘、逃げるが勝ち
行政書士水口結貴さんが教える「悪徳商法 まめ知識」
1)勧誘電話「魔の瞬間」
金・土、そして休日の前日の午後
ほっとしている時間

2)キャッチセールス「魔の瞬間」
日が沈む頃の夕暮れ時
心理学的にも気が緩む時間

3)悪徳商法の書き入れ時
新入生、・新社会人で街があふれる4月、5月
大学生も初めておしゃれをしてみたい、初めてのお給料をもらって気が緩んでいる。

post

テレビ朝日 「スーパーJチャンネル」2004年6月2日

新東京人をねらう エウリアン
高額な絵を色気で押す悪質キャッチセールス

路上で声をかけられ、その後店内に入った男性を直撃した。男性は、「普通に絵を見てください」ということで店内に入ったのに、「60万円」の絵を買うことを薦められたという。

絵画のキャッチセールスの被害が増えている

こうしたキャッチセールスは、上京してきたばかりの新社会人や学生が多く狙われやすいという。
取材をしていたとき、ある女性が手にチラシを持ち、男性スタッフに声をかけてきた。
「展示会をしているんです。展示会に行ったことはありますか?」
続けて「絵が好きなら、展示会をしているので、見に来ませんか?」と誘ってきた。
こうした販売目的を継げないで、路上で勧誘することは法律で禁止されている。

店内へ入ると、女性は展示会を案内し始めた。50点以上のシルクスクリーンが並び、女性が絵画の説明を始めた。しかし、絵画の題名や値段などは書かれていない。

気に入った絵を告げると、絵のアンケートを書かされた。そして、店の奥から上司という女性が出てきた。やはり、販売目的だった。しかも値段を尋ねてもはっきり答えない。
店内に入ると、女性がつきっきりで絵画購入を執拗にすすめる

値段を考えず、絵を見て買うか買わないかを判断しろという。なぜ、値段を隠すのだろうか。
「一種の催眠商法だ」と元販売員は言う。日本人は「絵画が高価だ」という先入観があるから、値段を言わず、気に入るまで説明する。
値段は71万4千円という。しかも勝手に60回払のローンの計算までされていた。ただし、分割払の利子を計算すると94万円以上になる。

エウリアンの被害にあった男性に話を聞いた

7年前、22歳の時エウリアンに声をかけられ、店内に入った。そして契約をしてしまった。
一方、店内では女性の絵画を購入させるため勧誘が続いていた。
勧誘はなんと2時間も続いた。
客が帰りたいという意思を示しているのに、帰さないのは消費者契約法で禁止されている。入店してから4時間が経っていた。帰ると告げると扉を閉めて帰してくれない。

この販売方法に問題はないのか?

消費者問題の専門家、エクステージ総合法務事務所 代表行政書士 水口結貴さんに聞いた。
このようなしつこい勧誘方法は、特定商取引法で規制がかかっている、という。例えば、お客さんが「帰りたい」と言っているのに、引き止めたりなどして帰らせてくれない場合、「退去を妨害した」ということで、消費者契約法に規定されている「退去阻止」で、契約取消ができる場合がある、と教えてくれた。

post

TBS 「ニュースの森」2004年7月14日

10年ぶりに復活の兆しが見え始めた
「エスコート詐欺」

「お金持ちの女性と2時間、付き合うだけ。それで5万円を支払う」、こんな言葉に騙された岐阜県の男性は220万円をだまし取られたとして、業者を訴えている。

車の中の男性は、電話口に向かって「そういったことは、契約書に書いてあるんですか?」と質問する。それに対して、業者は「契約書、契約書って、おまえ、一体何なんだよ?」と、怒鳴る。「正当なことを言っている」という男性に対し、業者は「言ってねぇよ!」と威迫めいた返答だ。「それを判断するのは、うち(当社)なんだよ」と一方的に言う。
「でも…」と反論しようとする男性に対して、「でも、とか言ってんじゃねぇよ!」とキレる男。重ねて「イライラさせるなよ!」と、脅しめいた文句も言う。

「2時間、女性と会ってエスコートすれば5万円が手に入る」
こんな甘い言葉に男性はダマされた、という。
男性は動機について「その当時、彼女がいなかったので彼女が欲しい、というのが…」と話す。
去年の8月、男性は新聞の「結婚・恋人募集」という3行広告に惹かれ、業者に電話をした。男性は、言われるまま入会金として2万円を業者の口座へ振り込んだ。すると2か月後、業者から「紹介したい女性がいるから」とホテルに呼び出された。
ホテルでは、スーツ姿の業者と30代後半の女性が待っていた。
女性はエステ店を経営していて、「ぜひ、あなたと交際したい」と言った。
しかし、甘い誘いには「ワナ」があった。

女性と付き合いたいなら「預託金が必要」と言われる
預託金は、紹介した女性との間でトラブルが起きた場合の解決金だという。
男性は業者に言われるまま、複数回にわけて220万円を支払った。入会金を含めると、わずか1ヶ月の間に222万円を支払ったことになる。
しかし、それから1年たった今も業者からの連絡は1度もない、という。

エスコート詐欺とは女性と交際して、多額の報酬が手に入るというのです。
実は10年前、エスコート詐欺が流行った。今回のケースは、その時の類似系のように見える。「エスコート詐欺」とは、「女性と交際して、月に数十万円の謝礼がもらえる」という触れ込みで、多額の現金をだましとる商法のこと。
悪質業者は、泣き寝入りしてくれる人を「カモ」にしている

悪質商法問題に詳しい消費者問題の専門家、エクステージ総合法務事務所・代表行政書士 水口結貴さんによれば、「業者が“カモ”にしているのは“泣き寝入りしてくれる人”、だ」という。
続けて、水口結貴さんは「払えと言えば払ってくれる」人も狙われやすい、と教えてくれた。

今から10年前(1994年)には、エスコート詐欺の摘発が相次いだ。被害者は全国で3万人、被害総額は40億円に昇った。そのエスコート詐欺が10年ぶりに復活している、という。
この30歳の男性は騙されていることに気づき、弁護士に依頼して222万円の返還請求をした。
電話で「今すぐ解約はできないんですか?」と解約を求める男性に対し、「一方的な都合ではできない」という。男性が「私が預けた222万円は…」と食い下がると、業者は「相手の方に違約金として支払をして」、そうすれば「今すぐ、やめられる」と言う。
業者は、ホテルで一度だけ会った女性との交際がまだ続いている、一方的に解約すれば、違約金が発生するという。
それでも男性が「契約書に解約する時は…」と、食い下がると業者は「聞けよ、人の話。会員はお前だけじゃねぇんだよ」、「でも、とかじゃねえんだっつってんだろ!」、「イライラさせんなよ!」と、怒鳴りつけたり、威迫的な態度で一方的に電話を切った。

ホテルで渡された名刺を頼りに業者の住所を訪ねた。すると、応対した男性は、ここは「私書箱」だ、という。被害を受けた男性が続けて「事務所は、どこに?」と尋ねるが、「そんなの知らないよ」とそっけない返事。
被害男性がさらに「私、会員で…」と食い下がるが、相手は「会員だか何だか知らないけど、知らない!」と取り付く島もない。名刺に書かれた住所は荷物を受け取るだけの私書箱だった。
問題の業者とは連絡が取れない、という。曰く「荷物を受け取るだけで、会社名も何も知らない」と言う。
この男性と同様に、交際を巡る相談は1,671件にも上っている(国民生活センター調べ)。
このような被害は、これまでに1671件に昇っている。

post

日刊ゲンダイ 「訪問販売(悪質商法)」監修 2004年7月21日

甘く見るな! 急増中 点検訪問販売

訪問販売の悪徳商法がまた多くみられるようになってきた。行政の検査や無料サービスを装って高額商品を売る「点検商法」だ。
国民生活センターによると、2003年度の点検商法の相談件数は13,173件。200年(5524件)の約2.4倍に昇っている。また、悪徳業者の手法は年々、託妙化している。
そんな点検商法で多い事例が2つある。
1つは飛び込みで「試してみてください」と浄水器や消火器を取り付けたり、許可なく白アリ駆除剤などを散布した後に料金を請求するもの。
もう1つは「購入された布団の打ち直し無料サービス」と電話をかけた後に訪問するケース。そして「ダニが見つかった」などと言って、寝具や乾燥機を売りつけるもの。販売員は物腰が低く、いかにも行政関係の工事業者に見える場合が多いが、一度家に入ると何時間も居座る。たとえ一度は追い返しても、何度も訪問してくることも多いそうだ。

昼下がりのマンションがヤバイ

強引な販売や契約は一定期間内ならクーリングオフ制度を使って解約できる。被害者は、これまで高齢者が中心だったが、夫が仕事で外出中のサラリーマン家庭にも広がってきた。

一度狙われると次は空き巣のターゲット
消費者問題の専門家、エクステージ総合法務事務所の代表、水口結貴行政書士によれば、「販売業者の中には、地域や住民の個人情報を入手し、訪問先を狙い撃ちしているところもあります。名簿業者などを使って住民の家族構成や資産を調べたり、訪問販売に応じた家の玄関にマークをつけて同業者間で情報を回すこともある。
恐ろしいのは、こうした情報が販売業者以外にも流れている恐れがあることです。販売業者とやり取りをするだけで、空き巣や強盗に狙われることにもなりかねません」
注意の上にも、注意を重ねたいものだ。

post

NHK「難問解決!ご近所の底力」2004年8月19日

高齢者を狙った詐欺被害が続出。最新の手口とは

東京都渋谷区本町。住人の5人に一人は高齢者というこの町では、今、詐欺の被害が相次いでいる。
独り暮らしのAさんは、肉親を装った「オレオレ詐欺」の最新手口に騙されてしまった。その電話は、大晦日にかかってきたという。最初に「田舎だよ」と言われ、Aさんは10年会っていない故郷の兄と思い込んでしまったのだ。さらに、その人物は「丁度、仕事で上京してきた」と言ってAさんの家を訪ねてきた。多少、印象の違いはあったものの、兄だと思い込んでいたAさんはそれ以上、不信には思わなかった。そして、男は来るなり「途中でお金を落とした」とAさんに言い、心配したAさんは年金から6万円を男に手渡すと、「電車の時間があるから」とそそくさと帰っていった。その後、Aさんは故郷にこの出来事を報告しようと電話をした所、本物の兄が電話に出て気づいたのだ。Aさんは、この男に「兄さん、髪が黒くなったわね」と言ったところ、男は平然と「ああ、染めたからな」と答えたという。このように悪質商法・詐欺師は話を合わせるのもうまいのだ。

水道局職員を装い、家に上がり混んで盗みをはたらく

Bさんは、水道職員を装った二人組の被害にあった。男達は「近所に水道工事に来たついでに、無料で点検する」と言って家に上がり込んだ。そして点検が始まると、一人が「メーターを確認してほしい」とBさんを外へ連れ出した。しかし、男はメーターを見ているだけ。点検は5分で終わった。そして、部屋に戻るとなんと、財布に入れていた20万円が無くなっていたのだ。
この近所では、不審な訪問者があまりに多いため、住人は警戒して町内会の巡回にも扉を開けなくなっていた。この他、突然「あなたのアダルトサイト閲覧料が未払いです。12万円を○日以内に払ってください」などと書かれたハガキを受けとった人も。

電話口で泣いて金をせびった詐欺師

Cさんは、ある日電話に出ると電話口で相手が号泣していたという。驚いたCさんは、思わず息子の名前を言ってしまった。すると相手は続けて「今、お金を借りた信販会社の人と代わる」と言い、別の男がCさんに「(Cさんの息子に)150万円を貸した」と言う。Cさんは息子を心配するあまり、冷静な判断ができなくなってしまった。この相手を絶対に許せない、とCさんは続けた。

見ただけで家屋の欠陥を指摘。不安を煽って高額工事を勧める
40万以上の布団を甘い話と共に訪問販売で売る

Dさんは、訪問してきた業者から「お宅の屋根瓦は動いている。修理をした方が良い」と言われ、1万5千円を支払った。しかし、その後で近所の建築業者に見てもらったところ、特に修理の必要は無かったと言われたそうだ。
Eさんは、40万円以上の布団を訪問販売で買わされた。その業者は、色々な話をしてくれてEさんは、すっかり穏やかな気持ちになり、感じていた寂しさが紛れたと言う。

「自分は大丈夫、騙されない」。そんな思い込みがある人ほどあぶない

「悪質商法なんかにだまされない」と思っている人程、実はだまされやすい。それは、早めに人に相談することをしないからだ。元悪質業者だったいう男性は、「これはいいものだと、思い込ませる」、心理的な暗示を与えるのが悪質業者のやり方と言う。そのため、「相手が一人の時に話ができれば、一番都合が良い」とのこと。例えば、二人を相手に話をして、「そんな虫のいい話…」等一方から批判的な反応が出ると、一方が冷めてしまい成約しにくいからだと言う。
悪質商法の被害を防ぐ! 3つのキーワード

●うわさを信じない
警察庁の調査によれば、詐欺の電話がかかってきた人のうち、62.6%もの人が実際に騙されてしまったという。一方、ある対策をとった地域では騙された人の割合は23.4%。被害を約3分の1に減らすことができた。その町へ取材を行なったところ、高齢者がデイケア施設へ向かうバスの中では、オレオレ詐欺にあわないよう注意喚起の放送が流れ、施設でも職員から「オレオレ詐欺がはやっているので注意を」と、注意喚起のビラが配られていた。その他、病院、ゲートボール場、寺等、高齢者が集まる場所で注意喚起のビラが配布される。これは広島県警察本部が始めたものだ。高齢者と接する人が直接、詐欺の手口を伝えることで、メールやFAXでは情報が記憶に残りにくい高齢者にも、きちんと心に刻んでもらおうというのが狙いだ。
最近では、複数人数で、被害者役・警官役等を演じ分けるなど「オレオレ詐欺」の手口はより巧妙化している。肉親役は話すと正体がバレるため泣く専門だ。

□対策
詐欺の見抜き方 その1…わざと、電話口で肉親のウソの名前を言う
詐欺の見抜き方 その2…(詐欺側が肉親の名前をあらかじめ調べている場合)
肉親と関係のない話題を振る
詐欺の見抜き方 その3…(電話で警察や弁護士を名乗る場合)
所属を聞いて、電話で再確認する

その他、ケアマネージャーの助けを借りながら、離れて暮らす孫と電話で話し、近況を確かめあう取り組みも始めているという。また、オレオレ詐欺に使われることが多い「お金を要求する理由のベスト3は、
1位 交通事故の示談金…65.7%
2位 借金の返済…16.0%
3位 借金の保証人…14.8%
最新のオレオレ詐欺では、「事前に探りを入れる」ため、前の日に「携帯電話が変わったから、メモして」等、肉親の名前や情報を聞き出すための電話をしてくるケースもあるという。その他、日中、一人で家にいる主婦が狙われている。自分には関係ないと思わず、詐欺の電話が来る前提で心の準備をしておきたい。

●どうにも止まらない
ある地域では、喜劇で詐欺まがい商法を知る取り組みを行なっている。例えば、被害が続出した「床下点検」をテーマにした演劇を行なった。悪質業者は「近所の床下を無料で見ている」等、ついでを装い訪問してきて「無料」強調してお得感を煽る。点検を依頼すると、業者はあらかじめ用意してきた土等、ニセの証拠を見せてシロアリの危険性を強調する。そして、考える暇を与えず契約を急がせる。
このような劇を見た後、参加者は、今度は実際に悪質業者の撃退法を練習する。断る際、理由を言うと悪質業者につけこまれる。また、はっきり断らないのが最もいけないやり方だ。悪質業者にはきっぱりと「帰ってくれ」と言うことが大事なのだ。

●やられる前に狙い撃ち
高齢者の独居が多い地域では、高齢者に代わり悪質業者の対応をするサポート隊がいた。
例えば、不審なシロアリ業者が訪問してきて200万円の見積を出された女性。そこで、サポート隊は女性に代わり、シロアリ駆除会社数社にその場で電話による見積をとった。すると、回答は18万円弱~20万円という。悪質業者に騙される人の殆どは、商品(工事)の相場価格を知らない。そこで、このサポート隊はいくつか、被害例の多い商品について相場の値段を調べ、すぐに比較できるようにしている。また、壁のひび割れ等があると悪質業者に狙われやすくなるため、近所の業者の協力を得て家の補修も行なっている。

post

テレビ東京 「給与明細」2004年8月23日

この仕事、本当に儲かるんですか?徹底取材

終身雇用制度の崩壊によって、独立や副業への関心が高まっている。そのせいか、新聞、雑誌などで「儲かります」、「誰にでもできます」など、高額収入をうたった広告や記事が溢れている。
せちがらい世の中で、「楽して、儲ける」。
そんな話は本当にあるのか? を徹底取材!

出会い系サイトで年収1000万は本当か?

番組スタッフが「楽して儲ける」的な広告に、かたっぱしから電話してみた。広告主の本音を聞き出すために「取材」とは明かしていない。また、広告主に会える場合は、その企業へ潜入取材を行った。

調査1 出会い系サイトオーナー募集

最初は、「出会い系サイトオーナー」なるもの。広告には大きく「年収1000万も夢ではありません」とある。電話をしてみると、そこはいわゆる「迷惑メール」を送る会社。オーナーは自動送信する機械を設置するだけだ、という。本当に月に1千万円も稼げるのか?
実際に業者のオフィスに潜入。ややこわもての担当者が中村の前に。
市販されている物とは違う、システムが組み込まれたパソコンと携帯電話が並ぶ。そして、パソコン内のメールアドレス解析ソフトが接続された携帯電話を通じてランダムにメールを送信する。そして、送信できたアドレスを記録してサイトの利用を確認する、…と全てがパソコンで自動化されていた。
説明する業者は「うちが全部フォローする」と言う。「オーナーさんには毎日、入金がある」とも。そして、オーナーに支払う金額のうち何%かが業者に入る、ということだった。
しかし。何と、開業資金が400万前後もかかるそうだ。
世界規模のビジネス展開、会員数の多さ等を力説する。サイトを見るには180日で6万円。月収300万円は固い、という。
そして、パソコン繋がれた携帯電話20台。迷惑メールを送り続けているという。

次にパソコンを見せてくれた。迷惑メールを送るシステムは全てパソコンで自動化されていた。
男性によれば、開業資金を支払えば、オーナーの仕事は機材の管理と毎日の入金確認だけ、という。そして、月々のロイヤリティは売上の20%前後、という。そして、実際に入金されている通帳を見せてくれた。
入金の有無は電話番号で管理され、払わなければ当然「催促しますから」と業者や言う。そして、通帳には1日で3ページにも渡る振込があった。1件につき3万~6万円の振込があり、1週間の合計で60万円程になっている。単純計算でも1ヶ月で250万円になる。出会い系サイトオーナーの年収見込は、なんと1000万円だ。

しかし、この仕事は法律的に問題ないのか? 架空請求などはしていないのか? 聞いてみると男性(業者)は分厚い冊子を持ってきた。それは経済産業省が出している電子商取引に関する規約だった。業者曰く、法に則って運営しており、架空請求はしていない、という。
「悪質な業者は、どこからやっても入会になるようにしかけている」。しかし、「利用者が、確かに規約に同意して利用する」という「確認措置」があれば、請求はしても問題ない、という。

確かに儲かりそうな仕事だ。違法性は全くないと業者や言っていたが、どうも信じられない。
本当に問題ないのか? 悪徳商法問題に長年取り組んでいる専門家、エクステージ総合法務事務所 水口結貴行政書士に聞いてみた。水口結貴行政書士は、迷惑メールについてこう解説してくれた。
「迷惑メール自体は違法ではない」。しかし、不特定多数にメールを送る場合は守らければいけない条件がいくつかある、という。例えば、未承諾公告であることの表記の義務、送信元の身元を明示し住所連絡先を明記する義務などだ。それは、「迷惑メール防止法」で規定されている、とのことだ。そして、こうした行為は消費者とのトラブルがつきものだ。開業するには注意が必要だ、と教えてくれた。

調査2 「こうろぎ養殖」ビジネス

次の取材は「こうろぎ養殖」ビジネス。「2円で月収60万円」は本当か?
電話してみると、「2円」とはこうろぎ1匹の買い取り価格。収入には個人差がある、とのこと。会いたいと言ってみたが断られてしまい、それ以上の詳しい話は聞けなかった。

調査3 ラブホテル専属の大人のおもちゃを売る自動販売機

電話取材を開始した。ラブホテルはつぶれることはないし、ブームも関係ない。24時間稼働が見込め、安定した収入が見込める、という。
もっと詳しい話を聞くために、潜入取材を開始した。そこは雑居ビルの一室だった。説明してくれた業者は、「儲かる商売」だという。「男と女のことだから、絶対になくならない」し「景気もブームも関係ない」そうだ。「うちは、20年に実績がある」と自信ありげに言う。

オーナーは1台20万円の自販機を20台から購入し、提携するラブホテルに設置する。
商品単価は、1個300円~だ。台4万円の自動販売機を3台買い、ラブホテルに設置。収支モデルは1日3個売り、半年後には136万円の純利益となる、とあった。

実際の商品を見せてもらった。男性用と女性用があり、左右に分けて自販機に入れる、という。左右18個入るから、個で36個の商品が入る。中には「20年前から変わっていない」商品もある、と説明された。
そして、オーナーの「仕事」はというと、実際の自販機設置場所を回って、集金と商品の補充をすることだ、と説明された。そして、「営業はしなくていい」ということだった。
そこで、気になる「いくら、儲かるのか?」を聞いてみると、「最近、オーナーになった」方の売上伝票を見せてくれた。17台で月に13万8千円の売上があった。そこからロイヤリティが引かれ、純利益は8万2,800円だ。
一見、そんなに儲かっていないように見えるが、本業を持つオーナーの仕事は集金のみ。自販機の台数を増やせばもっと儲かる、と説明してくれた男性は言う。月収100万円は固いと豪語するサイドビジネス。

さあ、あなたはこれらのサイドビジネス、やりますか?
当番組では、これからも「稼げる」、「気になる」ビジネスを調査していきます。

post

テレビ朝日 「スーパーJチャンネル」2004年9月3日

痩せたい、キレイになりたい。
女心につけこむ、悪質エステ商法

今、悪質エステ被害が急増している。キレイになりたいという女心につけ込み、高額なエステサービスや下着等を勧誘し、ローン契約を迫る。元エステ店員は、「とにかく売れ!」と会社から指示を受けていた、と証言する。執拗なセールストークで、肉体的にも精神的にも追い込み、商品の契約をするまで帰さない。そんな、悪質エステの現場に取材班が潜入した。
安い「体験・お試し」で客を呼び寄せ、身動き取れない状態にして、高額な契約を迫る

「もう少し痩せたい」と思っていたAさんは、フリーペーパーを見て、インド式エステが1500円で体験できるという広告を見つけ、店舗を訪れた。Aさんは7kg痩せたいという希望を持っていたところ、「それは3ヶ月、通いましょう」とエステ店舗側から言われたそうだ。価格は30万円。出せる金額ではなかったAさんの様子を見たエステ店員は、「私のマッサージ、気に入ってもらえましたよね」、「なのに、なぜですか?なぜですか?」と逆ギレした様子で、責められた。
さらに、エステ中は体をタオル等でまかれ、汗を流す状態だったため、次第に意識がもうろうとして、気分も悪くなったそうだ。その状態で、しつこく営業トークを続ける店員。また、これも手口だったのかAさんが断る度に「上司と相談する」と店員は奥へ入ってしまい、Aさんは置き去りにされる。意識を失う寸前に、仕方なくAさんは契約をしてしまった。Aさんは「後から、怒りが込み上げてきた」と続けて話した。
Aさんは、契約機関中、エステに通うと強引に契約延長を迫られたという。
また、別の女性は、エステだけでなく、下着やダイヤモンドといった商品まで契約し、総額はなんと200万円にものぼったと証言する。

悪質エステの元、従業員が拷問のような手口を証言

悪質エステ業者の元従業員は、その実態について「コースに入っていなくても客をマットに包み、汗だくにした状態で契約をしないと、マットを外さない」と証言した。
また、街で女性に聞いてみると、「契約をしなければいけない状況になってしまった、契約書を書かないと帰してもらえない雰囲気だった」、「50万円程の高額な契約だったが、相手が口がうまくて、1回ひっかかってしまい契約した」等の声が。
そこで、悪質エステの実態に迫るため、路上でエステのキャッチをしている場面を取材した。
路上で声をかけ、嘘の説明でエステ業者店舗へと連れ込む
エステ業者店舗内では、執拗な勧誘が待っていた

繁華街を歩くスタッフに、エステのキャッチが声をかけてきた。
「美容師なんですが、あなたは美容師さん?」。スタッフが違うと答えると、キャッチは続けて「1回限りのモデルをやってくれる女性を探している」と続け、時間は15分程度・雑誌に載せるフェイシャルモデルと続けて説明し、アンケートだけでも…と言葉巧みに誘って、スタッフをある雑居ビルへと連れていった。その時、番組スタッフはビルから出てきたキャッチの男が言った「バカだな、あの女」という一言を聞いた。
店舗に入ると、白衣の女性が個室へと案内。「『超音波マッサージ』は知っている? 『超音波器具』は使ったことがある?」等と機械の話に。この店舗、実はフェイシャルエステをするのではなく、美顔器を売っていたのだ。店内の様子について、潜入したスタッフは、最初は親しそうに話してくるが、最終的に商品を買わせる時になると威圧的になると証言。勧誘された美顔器は35万円という高額な物だった。
国民生活センターによれば、このような悪質エステに関する相談は年々増えていて、2002年は12,000件を超えているという。そして、手口はより悪質化しており、被害金額も一人100万円前後と高額化している。

悪質エステの被害者が、そのひどい手口を証言

Bさんは、「足のエステを受けませんか?」とキャッチで声をかけられ、店舗に行ったところ、最初に3人の従業員に囲まれ、すでに「帰りたい」と言える雰囲気ではなかったと言う。さらにカバンを従業員に持っていかれてしまい、エステで服を脱いだため、身動きも取れず、逃げることもできない状態になってしまったのだ。その後は、エステ業者の為すがままになってしまったと言う。

消費者問題に詳しい法律家に聞く 法的に問題はないのか?
悪質商法問題に詳しい、エクステージ総合法務事務所・代表行政書士 水口結貴行さんは、エステ業者に連れて行かれると、何人にも囲まれた状況になってしまい、携帯電話もつながらず、「契約しないと帰れないのでは?」という恐怖心から契約してしまう人も多い、と説明してくれた。

特定商取引法では、エステ等の長期サービスを契約した場合、契約期間内であれば、一定の違約金を払うことで解約ができる。(契約期間が1ヶ月以上で、契約金額が5万円を超えるもの)
そのため、悪質業者はエステの契約ではなく、中途解約ができない化粧費や下着等の商品を売りローン契約を締結させる。
くれぐれも、「安い」だけでサービスを選ばないようにしたい。

post

TBS 「とってもインサイト」2004年11月25日

あなたは「エウリアン」という言葉を知っていますか?

1枚のビラ、全てはそこから始まった…。
「絵画に興味をありませんか?」路上で声をかけ、絵画販売を目的をする風景が増えてきた。絵画を展示した部屋に連れ込んで、本格的な勧誘トークを始める。専門家に聞いてみた。

数々の消費者問題に取り組んでいる、エクステージ総合法務事務所 水口結貴行政書士。一部のキャチセールスに大きな問題がある、と指摘する。

水口結貴行政書士は、月に100件~200件の相談を受けている。そして、「キャッチセールスの被害は年々増えています」と現状を語ってくれた。そして「次々に契約をさせられてしまう」ことが多いという。

キャッチセールスにどんなものがあるのか、街で聞いてみた。アンケートに答えたら、マンションの一室に連れて行かれ、80万円の「美顔器」を買わされそうになった人。旅行に関するアンケートに答えたら、「旅行に何度でも行けるクラブ会員にならないか?」と誘われた人、ネイルアンケートに答えたら、いつのまにか化粧水を売りつけられそうになった人、等々。

悪質なエウリアンの場合を再現してみた
男女二人のエウリアンに挟まれるAさん。「アンケートに答える」という話だったのに、突然「1ヶ月いくらだったら払えますか?」や勝手に毎月の支払額を釣り上げたり、「上司に相談してくる」と言って戻ってくると、当然のように「買う」という話になっていた。Aさんが「要らないです」と言うと「お前、6~7千円なら買えるって言っただろ!」と突然、脅迫まがいの行為に出た。結局、Aさんは60万円もの絵画を買うはめになってしまった。

エウリアンは、こうした繁華街を歩いている人に声をかけている。どんな人に声をかけているのか?と言うと、一定の基準があるようだ。

取材の結果から見えてきた、キャッチセールスに捕まりやすい人
それはズバリ「いい人」

英会話教室で40万円をドブに捨てた、というBさん。最初は「アンケートだけですよ」という話だったのに、「皆さん、英会話に興味あると思うんですよ」と、歩いて5分ほどのビルの一室に連れていかれた。

実はBさん、同じ英会話教室のキャッチセールスに2回捕まっている。「1回目は返してくれたんですよ。2回目も話だけで帰してくれると思っていたら、甘かったです」と言う。
2時間以上の拘束によって、3年以上のローンで英会話教材を買う羽目になってしまった。半年以上たってから返品したが、ローン残額を一括払いすることになり、困ってしまった、という。

共通しているのは「優しい感じ」の人だった。こうした人がどんな風に声をかけられているのか、まとめてみた。女性が「無料で展覧会を開催しています」と声をかけ、ギャラリーに連れて行き、中に入ると男性に交代する。絵を見せるだけでなく、威圧感ある口調で「絵画を買わないか」と契約を迫る。女性はとてもきれいで積極的だ。こういう販売方法を「展覧会商法」と言う。
次は女性を狙って「無料のネイルケアです」と声をかけ、マンションの一室に連れて行き、「アンケートに答えて」と記入していたら、最後に署名、捺印する箇所があり、いつの間にか契約書に代わる、というものだ。40万円もする化粧水セットだった。

きれいな女性が近づいてきたら…。デート商法に注意
きれいな女性に「逆ナンパしていいですか? 私の友達と合コンしましょう」と男性に声をかけ、ビルの一室に連れて行き、「合コンがうまくいったら、すぐプロポーズできるように」と50万円の指輪を売る、というものだ。

こうしたキャッチセールスは「問題がある」と指摘を受けていて、特定商取引法が改正、2004年11月11日から施行された。そして「販売目的を隠して、一般の人が出入りしない場所に誘い込んで勧誘することは違法」となった。これに違反すると、6ヶ月以下の懲役、又は100万円以下の罰金が科される。これによって、キャッチセールスが「犯罪」になった。すでに京都で摘発例が1件、出ている。

もし、契約してしまった場合には「クーリングオフ」制度がある。キャッチセールスの場合、契約後8日以内であれば、契約を無条件に解除できる。契約書に書いてなければ、それも法律違反になる。8日間を過ぎると、詐欺や脅迫、公序良俗違反等の別の理由がないと解約できなくなる。こうなると、消費者が自分一人で契約解除をするのは非常に難しく、行政書士など法律専門家に相談しないとならない。少しでも契約に疑問や納得がいかない点があれば、クーリングオフ期間内に手続をす