被害続出!「次々販売」の最新手口とは?
埼玉県に済む高齢の姉妹が5000万円以上に及ぶリフォーム工事を繰り返され、自宅が競売にかけられるという被害が発生した。実は今、騙されやすい顧客の情報を業者が共有し、次々と契約を迫る悪質商法が増えている。
業者の間では、「騙されやすい人の名簿」が出回っている
こう話してくれるのは、悪質商法問題の専門家、エスクテージ総合法務事務所の水口結貴行政書士だ。
水口結貴行政書士によると、悪質業者に勤務していた社員が悪質業者を辞める時に、顧客名簿を持ち出し、自らが同じような悪質業者(会社)を作って同様の手口を行うケースもあると言う。
しかも、過去に1度でもこのような悪質業者に騙されてしまった人のリストは「カモリスト」と呼ばれ、高額で取引されていると言う。
狙いやすい・だまされやすい人を、何度も狙ってだます。
それが悪質業者の鉄則。
「悪質業者は、昔(悪質業者から)何か買った人を集中的に狙っているので、『次々販売』が流行しているのです」と、水口行政書士はさらに続けて解説してくれた。
次々販売のターゲットにされやすい、高齢者に話を聞いてみた。
TV局「次々販売って、ご存知ですか?」
高齢者A 「そんなの、何回もやられているよ」。この女性は、羽毛布団、印鑑、つぼと続き、最近では皇室関係の写真を自宅に送りつけられた、と証言した。
また、別の女性は、こう語った。
(高齢者B)「うちの家の中に、白アリが出て1回工事したら、今度は『屋根を直しましょう』とか、『風呂場が壊れている』とか、次々に…」
それぞれの工事に数十万円の高額な費用を請求されていた。
リフォームだけではない、次々販売の被害
次々販売の被害は多岐に渡る。例えば、Aさんの場合は…。
とても使いにくい、重い掃除機。何と30数万円。Aさんは、その時、祖母と一緒だったため、「おばあちゃんのいる、ご家庭はお安くなります」と言われ、「25万円でいい」と言われたとか。
これでだます! 明らかになる悪質業者の「騙しのトーク」
そして、「カモリスト」の流出で次々と販売業者が訪問してくるように
「布団のダニを取るのに、良い機械がありますよ」
そして、Aさんに家の毛布を持ってこさせ、毛布に掃除機をかけ始める。そして、「毛布から取れたもの」と言って、ケースから大量のゴミを見せた。さらに、「これが、ダニの死骸ですよ」と言ったため、Aさんは、ぞっとしたと言う。このトークで、業者の言うことを信じてしまったAさんは、25万円もする掃除機を買ってしまった。
しかも、その直後からAさんの家には、次々と販売業者が訪れるようになったのだ。
「名簿が出回っていたと思う…」、「許せないですね」とAさんは、語った。
消費者問題に詳しい法律家に聞く
法的に問題はないのか?
悪質商法問題に詳しい、水口結貴行政書士は
「紙・CD―ROM、あるいは宛名ラベルなど、形態によって「カモリスト」の値段は異なると指摘する。さらに、一度悪質商法の被害にあっている人の名簿は高額で取引されると言うのだ。中には1件何百円(相場は1件、数円)もする物もあると言う。
このように、一度被害に会った人の名簿は「カモリスト」として、業者間で取引され、悪用され、度重なる被害を生む温床となってしまう。
高齢者だけでなく、「痩せたい」、「きれいになりたい」という女性の願望を利用するっダイエット食品や補正下着、さらには、新入社員を狙って「この教材を買わないと、前に買った教材が無駄になる」等のトークで、資格取得教材を売る次々販売も、大きな被害を生んでいるようだ。