post

あなたは「エウリアン」という言葉を知っていますか?

1枚のビラ、全てはそこから始まった…。
「絵画に興味をありませんか?」路上で声をかけ、絵画販売を目的をする風景が増えてきた。絵画を展示した部屋に連れ込んで、本格的な勧誘トークを始める。専門家に聞いてみた。

数々の消費者問題に取り組んでいる、エクステージ総合法務事務所 水口結貴行政書士。一部のキャチセールスに大きな問題がある、と指摘する。

水口結貴行政書士は、月に100件~200件の相談を受けている。そして、「キャッチセールスの被害は年々増えています」と現状を語ってくれた。そして「次々に契約をさせられてしまう」ことが多いという。

キャッチセールスにどんなものがあるのか、街で聞いてみた。アンケートに答えたら、マンションの一室に連れて行かれ、80万円の「美顔器」を買わされそうになった人。旅行に関するアンケートに答えたら、「旅行に何度でも行けるクラブ会員にならないか?」と誘われた人、ネイルアンケートに答えたら、いつのまにか化粧水を売りつけられそうになった人、等々。

悪質なエウリアンの場合を再現してみた
男女二人のエウリアンに挟まれるAさん。「アンケートに答える」という話だったのに、突然「1ヶ月いくらだったら払えますか?」や勝手に毎月の支払額を釣り上げたり、「上司に相談してくる」と言って戻ってくると、当然のように「買う」という話になっていた。Aさんが「要らないです」と言うと「お前、6~7千円なら買えるって言っただろ!」と突然、脅迫まがいの行為に出た。結局、Aさんは60万円もの絵画を買うはめになってしまった。

エウリアンは、こうした繁華街を歩いている人に声をかけている。どんな人に声をかけているのか?と言うと、一定の基準があるようだ。

取材の結果から見えてきた、キャッチセールスに捕まりやすい人
それはズバリ「いい人」

英会話教室で40万円をドブに捨てた、というBさん。最初は「アンケートだけですよ」という話だったのに、「皆さん、英会話に興味あると思うんですよ」と、歩いて5分ほどのビルの一室に連れていかれた。

実はBさん、同じ英会話教室のキャッチセールスに2回捕まっている。「1回目は返してくれたんですよ。2回目も話だけで帰してくれると思っていたら、甘かったです」と言う。
2時間以上の拘束によって、3年以上のローンで英会話教材を買う羽目になってしまった。半年以上たってから返品したが、ローン残額を一括払いすることになり、困ってしまった、という。

共通しているのは「優しい感じ」の人だった。こうした人がどんな風に声をかけられているのか、まとめてみた。女性が「無料で展覧会を開催しています」と声をかけ、ギャラリーに連れて行き、中に入ると男性に交代する。絵を見せるだけでなく、威圧感ある口調で「絵画を買わないか」と契約を迫る。女性はとてもきれいで積極的だ。こういう販売方法を「展覧会商法」と言う。
次は女性を狙って「無料のネイルケアです」と声をかけ、マンションの一室に連れて行き、「アンケートに答えて」と記入していたら、最後に署名、捺印する箇所があり、いつの間にか契約書に代わる、というものだ。40万円もする化粧水セットだった。

きれいな女性が近づいてきたら…。デート商法に注意
きれいな女性に「逆ナンパしていいですか? 私の友達と合コンしましょう」と男性に声をかけ、ビルの一室に連れて行き、「合コンがうまくいったら、すぐプロポーズできるように」と50万円の指輪を売る、というものだ。

こうしたキャッチセールスは「問題がある」と指摘を受けていて、特定商取引法が改正、2004年11月11日から施行された。そして「販売目的を隠して、一般の人が出入りしない場所に誘い込んで勧誘することは違法」となった。これに違反すると、6ヶ月以下の懲役、又は100万円以下の罰金が科される。これによって、キャッチセールスが「犯罪」になった。すでに京都で摘発例が1件、出ている。

もし、契約してしまった場合には「クーリングオフ」制度がある。キャッチセールスの場合、契約後8日以内であれば、契約を無条件に解除できる。契約書に書いてなければ、それも法律違反になる。8日間を過ぎると、詐欺や脅迫、公序良俗違反等の別の理由がないと解約できなくなる。こうなると、消費者が自分一人で契約解除をするのは非常に難しく、行政書士など法律専門家に相談しないとならない。少しでも契約に疑問や納得がいかない点があれば、クーリングオフ期間内に手続をす