post

「キレイになりたい」。女性の願望を利用
した悪質エステが横行 最新の手口とは

それは「フリーペーパー」。
街頭や書店で多く配布されていて、巷にはフリーペーパーがあふれている。その人気と信頼を悪質エステ業者が利用している。悪質エステの現場へ潜入取材を敢行。すると、エステサロンの中では驚くべき実態が…。

人気のフリーペーパーに潜む「罠」
「フリーペーパーには、エステ業者の広告が非常に多く乗っている」と消費者問題に詳しい、エクステージ総合法務事務所 代表行政書士・水口結貴さんは指摘する。さらに、フリーペーパーに、割引チケット(クーポン)もつけておき、人を集める。フリーペーパーを見た人は「お試し」感覚で安いエステを受けようと業者を訪ねるが、そこで高額な商品やエステサービスの契約を勧誘されるという被害が増えている、と解説してくれた。
2004年11月、特定商取引法が改正され、それ以前に横行していた路上や電話で、販売目的を告げずに個室店舗等に誘って、商品等の購入を勧誘する行為は禁止された。
そこで、エステ業者は「お試しコース」をフリーペーパーに載せ、客を誘いこもうとしているのだ。水口結貴行政書士は、フリーペーパーの中から、相談が多いというある業者を教えてくれた。広告には、通常15,000円するコースが、2,000円で受けらえると大幅な値引きが書かれていた。
「このままでは病気になる」。裸同然の客に対して、執拗な勧誘が続く

いったい、悪質エステ業者の店内で何が行われているのか、被害女性に話を聞くことができた。この女性は、なんと200万円もの高額な契約をさせられたという。この女性は、エステ体験だったにも関わらず、エステシャンからのマッサージ等は殆ど無く、「太りすぎ」等、危機感をあおることばかり言われ、とにかく商品を売りつけてきたそうだ。
その手口は、強引極まりないものだった。
「考えたい」、「次週決めます」と言っても取りあってくれず、その場で購入を決めないとなかなか帰してくれなかったそうだ。断りきれず、美顔器、下着類、化粧品、サプリメント等、合計6点を購入することに。しかし、効果は殆ど感じられなかったそうだ。
彼女は「詐欺にあったようだ」と語った。

潜入! 悪質エステ業者の現場。 そこでは、いったい何が行われているのか?

取材班は業者店舗へ予約を入れる電話をしてみた。
そこで「実際に、2000円だけ?」「それ以上、かかったりしないですか?」と尋ねると、「大丈夫です。かかりませんので、ご安心ください」との回答。実際に店舗を訪ねてみた。そこで、予約を入れ店舗へ行ってみた。店は繁華街の一角にあるビル。予約を告げると、すぐに小部屋に案内された。簡単な説明を受けた後、ロッカールームに案内され、ここでガウンに着替える。そして全ての持ち物はここに置いていかなくてはならない。何とか小型マイクだけを隠しもって移動する取材スタッフ。まず、ボティーチェックと言い、店員が体の脂肪をつまむ。そして「今、何も手入れをしないと、これから脂肪率が上がる」と断言した。さらにマッサージ中も、体の異常ばかりを指摘する店員。
そして、おもむろに商品(サポーター)を取り出し、片足に5分程履かせて、その後は「細さが全然違う!」等、商品の効果と売り込みが続く。このサポーター、セットで21万円という高額商品だ。しかし、店員はローンで、ボーナス払を併用すれば、「月々3000円」と安さを強調する。
スタッフが買うのをためらっていると「このままでは成人病予備軍になりかねない」とさらに不安をあおる店員。この後も、店員はスタッフをベッドに寝かせたまま執拗な勧誘を繰り返す。なんとスタッフが解放されたのは入店してから4時間半後のこと。
客に勧めたのは、履くだけでセルライトが流れるという、高額なサポーター。取材版で独自の調査を行なったところ、「特段、変わった素材ではない」との診断。業者に、共同検証をもうしれたが、取材は拒否された。

消費者問題の専門家・行政書士が指摘する問題点とは

この販売方法について、消費者問題の専門家、エクステージ総合法務事務所・行政書士 水口結貴さんに、店での会話内容を見てもらった。水口結貴さんによると、不安を与えるような発言をしながら高額商品を売る行為や、ほとんど裸に近い状態で逃げられない状態の人に3時間以上にもわたって執拗に勧誘することは、違法な行為と指摘する。
さらに、この業者の行為は特定商取引法違反にあたると説明してくれた。

この会社は全国に店舗を展開しているが、取材した店舗だけでなく、他店舗でも強引な販売をしているようで、多くの書き込みがインターネット上に見つかった。また、この業者の元店員に話を聞いたところ、とにかく商品を販売することが目的だったと語ってくれた。安いコースだから、お試しだから…と気軽に利用するのは良いが、このような勧誘を受ける危険性があることも十分知っておきたい。