私、ダマされちゃいました
今週のテーマは「許せない!詐欺」。
日々、進化する詐欺のテクニック。人生の思わぬ所に落とし穴が。人は、人を信じてはいけないのか?
占い、詐欺被害者たちの怒り、大爆発!
増加する一方の「振り込め詐欺」
そのほか、詐欺被害から身を守る方法を専門家に聞いた
11月に入り、世間を騒がせた「国税局」を名乗る新手の「振り込め詐欺」。
2006年9月までの被害は、なんと5919件、被害総額は約180億円に昇っている。情報が錯そうする世の中で、私たちはどうすればいいのか?
する一方だ。
スタジオには、消費者問題・悪質商法の専門家、エクステージ総合法務事務所の水口結貴行政書士をゲストに迎え、お話をうかがった。
読者からのFAXでは、こんな詐欺被害を訴えるものがあった。
○税務署員をかたった手口
○国税局をかたって、入金を誘う
○偽文書で「税金を返す」など。
また、新手の「振込詐欺」にも注意が必要だ。
街角で聞いてみると…意外にも「騙された」人が多い
「騙されたことは、いろいろあります」と告白する男性。
また、別の年配の女性は「だまされたこと?」、「ある」。と断言して、「いつも取りにくる町会誌」の件でだまされた、と怒りをあらわにした。
…と、世間に渦巻く「不満の嵐」に驚愕の激論バトルが乱れ飛んだ。
平穏な生活を脅かす、悪質商法。被害が急増している
悪質商法の手口は年々変わり、巧妙になっているほか、高齢者・子供にも被害が拡大している。
国税局を騙った多額の振り込め詐欺が発覚した。これだけ注意喚起が行われても、振り込め詐欺の被害は拡大
ある被害実例を紹介しよう。
○ワンクリック(詐欺)
8ヶ月前、携帯に突然メールが届き「24時間以内にここをクリックしてください」と書いてあった。気になり、クリックしたら「こちらの世界にようこそ」とHな画面が出て、慌てて消去した。しかし翌日、携帯に電話があり「8万円を振り込んでください」と言われた。「身に覚えがない、知らない」と言ったが、色々と理由をつけて「振り込め」と毎日、何回も電話がかかってくる。仕事で使っている携帯なので番号も変えられないし、今では深夜にまで電話がかかってきて、かなりストレスが溜まっている。しかも請求額は30万円!こんなもののために、お金を使うのもばからしいし、本当に頭にきています。
水口結貴行政書士によれば、1回でも振り込んでしまうと、業者に「こいつはカモだぞ」と思われて、次々に請求されてしまう、いうことだ。さらに、請求に動揺して電話等で連絡をしてしまうと、業者にさらに個人情報を聞き出されてしまう場合があるので、注意が必要だ、と教えてくれた。
さらに、1回でも払ってしまうと「今度は50万円、今度は100万円」などと請求額が吊り上がるケースもあるという。
また、こうした「内職商法」は非常に多いという。子どもが小さくて外に働きに行けない主婦を狙って、教材を買わせる等の手口が有名だ。
新聞の折込チラシに掲載されている会社や内容について、新聞社がチェックしているわけではないが、人はそこを勘違いして、「新聞社がチェックして掲載しているなら…」と間違って信用してしまう。
主婦を狙う! 内職商法
ある主婦は、新聞で見つけた「宛名書き」の仕事に応募するため、業者に電話をしたところ、業者の訪問を受けた。業者の説明によれば、エステ用品のダイレクトメールを書き「月に2万円は必ず入る」と説明を受けた。そして「すぐにもとは取れるので」と「最初に美顔器を買ってくれ」と言われたのだ。彼女は怪しいと思い断ったが、その後、この業者は「内職商法詐欺」で摘発されたという。
主婦をねらった内職商法は多くなっている、と水口結貴行政書士は指摘したほか、このような悪質商法については、なかなか詐欺とは立証しづらいと説明してくれた。
詐欺は計画的に行われ、仮に逮捕、有罪、懲役となっても刑期は2年程度。出所すれば、再犯の可能性も高いという。また、こうした詐欺行為には罰則があるものの、「詐欺」と立証するのが難しい、と水口結貴行政書士は教えてくれた。そうした場合は、「特定商取引法」違反する、ということで科されたとしても懲役2年位になる。
殺人と詐欺を比較すると、詐欺の方が悪質だし、罪を重くするべきだ、と考える人もいるかもしれない。
なぜなら、「目の前で、自分の肉親が殺されそうになっていて、たまたまそこに銃があれば、殆どの人は殺そうとしている人を撃つ」、だろう。その意味で、誰でも殺人者になる可能性がある。
しかし、詐欺はそうではない。
詐欺は、考えに考えて、「完璧に、こいつを騙してやろう」と周到な準備をしているからだ。こうした罪を犯した人間が2年の懲役で改心するだろうか。
人に大きな傷を負わせた罪に対して、刑が軽すぎはしまいか。
悪質商法が少しでも、減ることを望んでやまない。