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普段ネットワーク社会に潜む罠

ネット社会。確かに便利だが、限りなく怪しい世界。そんな世界の「罠」=「闇」にはまってしまった被害者の話と、ネットワーク犯罪から身を護る秘策を紹介する。

アドバイザーとして、ネットワーク犯罪から詐欺犯罪まで詳しい、エクステージ総合法務事務所・代表行政書士の水口結貴さんにおこしいただいた。水口結貴さんは悪徳商法問題のスペシャリストであり、これまで4000件以上の消費者トラブルを解決。最近では、新しい詐欺行為の撲滅に取り組んでいる。

ネットワークを駆使した詐欺被害は1300億円以上にも

被害例1 カニカニ詐欺
頼んでもいないカニが代引で送られてくる。開けてしまったり、食べてしまうとお金が取り戻せなくなっています。

被害例2 地デジ詐欺
公共機関を装い、訪問してくる場合もある。
自分から申し込まない限り、訪問してくることはない。
被害例3 還付金詐欺
被害者はお金を振り込んでいると思っていない

被害例4 貸します詐欺
中小企業を狙って「融資します」と言い、預託金や保証金の名目で金を振り込ませる。

詐欺師は、これから広まるネタ(話題)に目をつけて、付け込んでくるので注意が必要だ。

1人目の相談者 Aさん
「突如送られてきた脅迫メール? 限りなく怪しい出会い系サイト」

Aさんの相談は、登録していない出会い系サイトの人から、突然怪しいメールが届いたというものだった。それは、利用料金請求の脅迫じみたもの。Aさんが懸賞サイトの利用規約を読んでいたら、「姉妹サイトからメールが行く場合があります」という文言があったので、それかと思ったというが、内容が全然違っていた。
年配の方で、「お金があまっているから、キミに投資してあげるから、●●やってみたら?」というメールもあった。つまり、彼女は知らないうちに、ポイントが無くなるまで出会い系サイトの「サクラ」をしていたことになっていたのだ。まずい、と感じたAさんはポイントが無くなる前に、退会手続を行った。
すると、サイト側から送られてきたメールには「勤務先や自宅へ行く」、「どんな手段を使ってでも回収いたします」など、脅迫ともとれるメール文章だった。
しかも、請求総額は9万円+延滞金。

水口結貴さんは、このメールを見て「めちゃくちゃですね」という感想だった。「勤務先や自宅へ行く、という脅し文句だったり、請求している利息も、大変な利率だ」ということだ。

たとえ、登録していたとしても、「利用規約」をきちんと読んで、規約に「同意する」という画面がなくてはならない。
Aさんは「そんな規約や同意はなかったと思う…」と言うことだった。
続けて、「なぜ、個人情報が流出してしまったか?」という点については、例えば懸賞等に応募すると個人情報が漏れる場合があるので、その可能性が考えられる、ということだった。比較的、懸賞サイトや占いサイトは流出の可能性が高いと言われているようだ。
水口結貴さんは、このような場合、「自分から連絡を取らない」ということが大切、と強調した。

「ワンクリック詐欺」の手口。わずか2度のクリックで、請求額3万9千円?

次に「ワンクリック詐欺」の手口が紹介された。業者から送信されたというメール画面が紹介された。「個人情報を取得した」という脅しのような画面も出てくるが、水口結貴氏によれば、この金額は全く払う必要がない、という。なぜなら、こうした契約のためには必ず「利用規約」に同意する必要があるが、利用規約の画面はなく、本人も「そんな画面はなかった

この後、テリー伊藤氏は、画面を見ながら業者に電話をしてみた。
すると業者は、脅しともとれる口調で支払を要求してくる。そして一方的に電話を切る業者。
また、水口結貴氏は「以前であれば、ワンクリックでこうした請求画面が出てきていたが、それが問題になったので、今度は何回かクリックしないと請求画面が出ないように変えてきた」と、教えてくれた。

しかし、根本的な問題は全く変わっていない、という。たとえ、有料サイトを閲覧したり、サービスを利用した場合でも、「画面上に利用規約がきちんと出てきて、かつ規約を確認する画面があって、その上で“登録”しないと、契約は“無効”である」と教えてくれた。

さらに「相手業者は、脅しのように“請求の流れ”などを書いているが、実際にはいくつかのパターンがあるのだろう」と言う。「業者が“いくつか、請求の方法がある”と言っていたのは、こういうこと(知っている情報によって、請求方法を変えている)ということでしょう」と、解説してくれた。