post

「現場にアタック」コーナー

今日は「悪徳商法」について、調べてきました。
先週、大阪の相談員が相談件数が多すぎて困り、受話器を上げっぱなしにして、「話中である」と偽装した事件がありました。
大阪の消費者センターを擁護するつもりはありませんが、実際に消費者問題の相談は、増えているのです。
そこで、今日は「悪徳商法の危険性と対処法」について専門家の方にお話をうかがってきました。
お話をうかがったのは、エクステージ総合法務事務所の代表、水口結貴行政書士です。
まずは、どれだけ悪徳商法が身近にあるのか「今、そこにある危機」について聞いてきました。

水口結貴行政書士
-若い人の場合、やはりインターネットを通じての悪徳商法が目立っています。
逆に、高齢の方、年配の方ですと訪問販売や電話がかかってきて勧誘される。または、新聞広告などの公告物を見たことが被害を受けるきっかけになるなど、年代によって違いがあります。

誰もが「騙されないように」と気を付けているはずですが、やはり、ちょっとした「心の隙」を狙われてしまう、ということがあります。
例えば「寂しい」という気持ちや、経済状況の問題から「お金を稼ぎたい」という欲であったり。
そうした気持ちをうまく煽って契約させる。
そうした口八丁手八丁のプロが、いわゆる「悪徳商法」ですから、気を付けていても、何か拍子にグラッときてしまうんですね。

(森本毅郎)すごく、うなずいているじゃないですか。
(女性パーソナリティー)私、危ないな~。「欲」か…。
(コーナー担当 男性パーソナリティー)「心の隙」ですよ。最近、「寂しい」とかはないですか? 毅郎さんも「欲」をかいてしまっては…。
(森本毅郎)いやぁ、あるね。
(コーナー担当 男性パーソナリティー)(悪徳商法に)引っかかる可能性が十分、ありますよ。
実は今、駅売りの新聞やコンビニにある雑誌の広告、こうした物にも悪徳商法が入ってきているんです。
(森本毅郎)あ、そうなんだ。
(コーナー担当 男性パーソナリティー)さらに、インターネットの発達で、騙す側も騙される側も身近な存在になってきています。
どんな手口があるのか?も、水口結貴行政書士に聞いてきました。

水口結貴行政書士
-例えば、比較的若い方が被害を受けるパターンですと「情報商材」というものがあります。小冊子であったり、何かのマニュアルの販売です。
「このようにやると、副業になります、収入を得ることができます」という内容が乗っているんですね。
購入して、その通りにやれば誰でも簡単に「月に100万円を稼ぐことができる」とか。同じような物に、パチンコや競馬などのギャンブル関係の「攻略情報」もあります。
「ノウハウを教えるので、代わりに幾ら払ってください」というものです。
こうした「情報商材」が非常に増えています。

高齢者の方の場合は、「訪問販売」というものがあり、布団の販売も相変わらず多いです。「布団の点検をさせてください」と言って家に入り、布団を見て「クリーニングしましょうか」、「その間は、これを使ってください」と新しい物を置いていって、無理やり購入させてしまう、などのやり方もあります。

(森本毅郎)布団なんて、まだやっぱり引っかかるんだね。
(コーナー担当 男性パーソナリティー)オーソドックスな手法から、最先端の手法まであるようです。
例えば、「アメリカンエキスプレスのブラックカードの入手方法を教えます。代わりにお金ください」というものなど。

(悪質商法が狙う)年齢層も「若いから、大丈夫」というものでもなく、携帯電話やインターネット通じて、悪徳商法に引っかかる若者も多いようです。
また、最近は小学生の親からの相談もある、ということです。

自衛の方法として、「インターネットで(業者名などを)検索する」という方法があります。すると、被害者の体験談や騙していた側からの投稿、というものもあるようです。
例えば、「悪徳商法の被害者が語る」ページを見てみました。
そこには「勝手に家に上がりこんで、『白アリがいる。このままでは家が傾く』と言われて、勝手に駆除用の扇風機を「これでもか」という位、床下に付けられてしまった高齢者の方とか。
お値段は何と、700万円。

逆に「悪徳商法の撃退法」という、悪徳商法撃退に成功した例が載っているページもありました。
そこには「先物取引」について「絶対に儲かりますよ」と業者に言われたら、「じゃあ、なんであんたがやらないの?」と切り返してみた、「ローンも組めますよ」と言われたら「じゃあ、月々100円の3万回払でいいか?」と言ったら業者が電話を切った、「宗教? わからないー」と無知を装うと相手が電話を切った、などの例がありました。

ただ、インターネットはこうした解決方法も書いてあれば、一方で悪徳商法の「巣」でもあるので、やはり心に「隙」があると付け込んでくるぞ、と注意していきたいですね。

そんな立場の弱い消費者を守るために「特定商取引法」という法律があります。この法律は、訪問販売、通信販売、電話勧誘販売などを規制するもので、この12月に改正されたばかり、です。
どんな点が改正されたのか、これも水口結貴行政書士にうかがってきました。

水口結貴行政書士
-これまで(法律)に、たくさん「抜け穴」があった、それを業者が突いてきた。
それを防いでいこう、ということで改正が行われました。
大きく改正された点だけを簡単に言うと、これまで法律で決められた商品、決められたサービスだけがクーリングオフの対象だったものが、原則「すべての商品、サービス」がクーリングオフの対象になりました。

次に訪問販売について、「もう、これからは契約しません」と消費者が言った場合、それ以上、勧誘をすることが禁止されました。また、大量に物を買いこみさせてはいけない、など訪問販売について規制が厳しくなりました。

3番目には、クレジットに関する規制が厳しくなりました。そして、インターネットの取引についても「返品」が加わりました。大きな所では、この4点になります。

(森本毅郎)大分、改正はされたんだね。

(コーナー担当 男性パーソナリティー)かなり、厳しくなったということでした。補足で加えますと、クレジット業者に対して「支払能力の調査」を義務付け、支払能力を超える与信を禁止しました。
また、訪問販売について「要らない」という意思表示を消費者がした場合は、それ以上つきまとったり、しつこく「要りませんか?」と勧誘することを禁止しました。

相当、厳しくはなっているのですが、悪い奴というのは「頭がいい」ということもあります。常に、法の抜け穴を見つけて、付け込んでいくということをやります。
では、この改正法は「抜け穴」はないのでしょうか?

水口結貴行政書士
-クレジットの規制が強くなったということで、特定のどこかクレジット会社を使って高額商品を無理やり契約させる、ということは、やりづらくなったと思います。

そこで今後、何か(法律の)「網の目」をくぐろうとすると、業者が何とか自社(自分達)で分割払の仕組みを考えたり、どこかから借入をさせて、自社に支払わせるとか、代金の支払方法について抜け道を考えていくのではないか、と思います。

もし、悪徳商法の被害に遭ってしまったら泣き寝入りをするのではなく、法律家や消費者センターなどへ相談に行くということをしてほしいです。
そうした声が多く集まることで、また法改正へとつながっていくと考えます。
くれぐれも「泣き寝入りをしない」ということが、大切です。

(森本毅郎)この法律を厳しくして、違反した人間はちゃんと罰則はあるんだよね?

(コーナー担当 男性パーソナリティー)はい、改正前もちゃんと罰則があった、と言えばあったんです。懲役が付く場合もあったのですが、それが今回少し厳しくなりました。例えば、契約の時に嘘をついていた場合。
これまで「懲役2年」だったのですが、「懲役3年」に引き上げられました。このように、罰則もどんどん厳しくはなってきています。

(森本毅郎)これで、被害が全部なくなるとは思えないけれど、騙されない方法というのは、自分で相当気を付けていかないとなぁ。

(コーナー担当 男性パーソナリティー)「心の隙」を作らない、ということだけですからね。
そして、水口結貴行政書士もお話されていたように「泣き寝入りをしない」、「声を出して世に訴えていく」ということで「次の被害者を出さない」。
これぐらいしか、できることがないですよね。
それだけに、相談先の消費者センターが電話(受話器)を上げっぱなしというのは、勘弁してほしいですよね。