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「この後、どうなってしまうのでしょうか?
~ワン切り編~」

当番組で調査から3ヶ月後、14万6千円という多額は請求を受けることに。そこで我々は、専門家を迎え、話し合いを持ちかけた。話し合いの途中で「専門家に相談します」と言うと、その言葉を恐れたのか、その後何度も請求者に電話をかけるが不在のまま。もしくは、「すぐにかけ直す」と言って電話は来ず、話し合うことはできなかった。

進展がなく、調査の中止を決意したとき、とんでもない新展開が

何と、予期せぬ人物から電話があったのだ。
それは「以前、ワン切り業者に勤めていた」という人物。
水口結貴行政書士にサポートしていただくことにした。
水口結貴さんには、ワン切り業者の電話システムが法的に問題ないか?を確認していただく。

そして、今回話をうかがう男性が「沢田さん」だ。彼は、昨年
9月から3ヶ月間、あるワン切り業者に勤務していたという。

番組に連絡をくれた理由を聞くと「心が痛んで…」とのこと。ひとまず、彼の言葉を信じて話を聞くことにした。まずは、沢田さんがワン切り業者に勤め出した経緯を教えてもらう。
彼は、アルバイトで不動産関係の仕事を探していたそうだ。そして、彼は不動産会社に就職したが、なぜか同じ会社が経営するワン切り業者に配属されたのだ。そして、毎日料金未納の客に催促電話をかけることになった。今回、自らが内部事情を話すことで被害を少しでも食い止めたい、という。

「素人でも督促ができるように」、社内には「マニュアル」があったという。そこで、澤田さんには、マニュアルの内容をできる限り書き出してもらい、直接回収に関わる手口について解説してもらうことにした。

【ワン切り業者の手口】
その1 カマをかける
自分達(ワン切り業者)は、相手の名前も住所も何もわからない。電話番号しかわからない。それを「全部わかっているよ」、「これからバレるよ」ということを強調する。
これによって、相手に「携帯番号を変えてしまえばいい」と思わせないようにする。
例えば、電話番号から住所、会社は全部わかっている。さらに「回収業者を行かせる」と言えば、相手は怖くなってひるんでしまう、という。

その2 最低2ヶ月以上の期間を空けてから電話をする
電話をかけたことを認め、その上で相手が「まけてくれ」と言うことは「払います」という意思の現れ、だという。後は、手口その1で紹介した「回収業者を行かせる」などのカマをかけ続ければ、ほぼ請求通りの金額が回収できる、という。

確かに我々に、14万6千円の請求が来たのは2ヶ月後。ここにも巧妙な手口が隠されていた。
請求電話をかけるリストは、会社が用意するが「利用した日から2ヶ月以上経ったもの」しか渡されない、という。
これは、記憶をなくしたり曖昧にするほか、延滞金を発生させるためだ。
記憶が曖昧だと反論できない。人の心理を読んだやり方だ、という。さらに証言から、ワン切り業者の利用者の弱みにつけこんだ驚くべき手口が。

一度払った人に「番組名」などを変えてもう一度請求する

それは、一度払った人だけをまたリスト化して、何度も請求するという。利用した番組等を変える、というのだ。「一度払った人は、2度3度と払う」という業者。こうした業者のやり口はどれも巧妙なものばかり。
しかしなぜ利用者は、こうした不当な請求を簡単に払ってしまうのか?

「回収業者に行かせる」。相手の弱み(心理)につけ込む手口

1番相手が嫌がるのが、勤務先や家族(奥さん等)に「バレる」ことだという。しかも「回収業者に行かせる」など言えば、「それが、10何万円で済むんだったら…」という心理で払う、そうだ。
「これで穏便に済むんだったら、よかった、よかった」と話してしまえばいい、それで払うという。業者から言わないが、中には金融機関などで借金をして払う人もいるようだ。

1日で莫大なお金が動く。ワン切り業者の売上は…

カモがいれば、その弱みに付け込むワン切り業者。一体、1ヶ月にいくら売上ていたのか?
元従業員曰く、誰でも24~25万位にはなる、という。また彼自身は、最高で時給と歩合を併せて100万にはなった、ということだ。
彼が勤めていたワン切り業者では、時給1000円~1500円。それに利用者から回収した金額の約1割が歩合として加算されていた。現在は、保険のセールスをやっているということで、給与明細を見せてもらった。手取りは、259,590円。
このような巧みなワン切り業者の手口に、我々はどう対処すればいいのか?
どうすれば、被害を避けられるのか?
それは、相手にしないこと。話をしなければ、相手は何もできないと、元ワン切り業者の従業員は言う。
一方、行政書士 水口結貴さんの見解は消費者センターや法律家に相談してほしい、ということだ。そして、相談した場合、気になるのが相談料だが、目安としては5000円程度。場合によっては無料で対応してくれることもあるという。
スタッフ宛に届いた請求メールの番号に、電話をしてみると…

と、ここで終わらない今回の給与明細。新たなる見覚えのない請求を調査。
スタッフの携帯に、出会い系サイトに対する請求メールが送られてきた。メールには請求業者の連絡先が書かれていて「至急連絡をください」という。今まで学んだことを踏まえ、早速電話をしてみる。
業者とのやり取りの中で、とっさに思いついた番号を言ってしまった。これでは、電話がかかってこないので、もう一度、業者に電話をしてみる。しかし、この電話がこの後、とんでもないことに。

業者とのやり取りの中で、住所を聞くと一方的に切られてしまう。
何回か、かけ直してみると相手業者はこちらの質問には答えず「そうですね」と繰り返すばかりで話にならない。「この客からは、お金は採れない」と判断したのか、一方的に電話を切られてしまった。

決して他人ごとではない、あなたの身にも起こるかもしれないお金にまつわるトラブル。当番組では引き続き、身の回りの気になることを徹底的に調査していく。