「この後、どうなってしまうのでしょうか?
~ワン切り編~」
普「記憶の話をされても困るんだよね」。
電話口の向うから業者のいら立った声が聞こえてくる。取材者も困惑顔だ。一体何が起きたのか?
今回は、「ワン切り電話」、「身に覚えのない請求書」に「実際に掛け直してみたら、どうなるんでしょうか?」。
以前、同様の企画を放送してから4ヶ月。実は大事件が発生していた。
それは、ワン切り電話をかけてきた携帯電話に電話をしたことから始まった。実際に電話をかけてみると「お相手を見つけんね」や「クレジット清算の方は○番を」などの自動音声による案内が流れた。
取材者は「お相手を探してみる」を選んだ。すると、また自動音声で「ただ今、お相手を探しています」や「お相手を時は♯を…」といった案内が流れる。
しかし、何分経っても何も変わらず、ただ同じメロディが流れるだけだ。
そして、ようやく「お相手とつながりました」のメッセージが。
しかし、次の瞬間には「お相手が変わります」とメッセージが流れ、また「コンピューターがお相手を探しています」と振り出しに戻る…、延々とその繰り返しだ。切りがないので、仕方なくこちらから電話を切った。
この通話時間は12分間。ワン切りの正体は「ツーショットダイヤル」だった。
4ヵ月後、料金未払の督促電話がかかってきた。果たして、請求通りの金額を払う必要があるのか?
金額は何と12万9千円。この請求は不当ではないのか?
そこで専門家の協力のもと、ワン切り業者と話し合いをすることにした。
果たして、請求通りの金額を払う必要があるのか? または、払わなくてもいいのか?
協力していただく先生は、エクステージ総合法務事務所 水口結貴行政書士。手を変え品を変え、次々と出てくる悪徳商法の相談やクーリングオフ、契約解除などのサポートを行っている、消費者問題のエキスパートだ。
ワン切り業者の説明が都合よく変わっていく
もう一度請求金額を確かめようと、電話をするがガイダンスが流れない。仕方なくワン切り業者に電話をして説明すると、「1ヶ月ごとに番組が変わるのでガイダンスがきけなくなる」という。しかし、こうした説明は最初は全くしていなかった。
業者はまた「利用する気がない方はすぐに電話をお切りください」というガイダンスを流している、という。しかし、こうしたガイダンスは流れていなかった。ガイダンスの内容と請求元の男性が説明する内容は、明らかに一致していなかった。
同じ話を延々と繰り返すワン切り業者。そして…
ガイダンスは流れておらず「登録した記憶がない」と主張するこちらに対し、業者「記憶の話をされても困る」と反論してくる。さらに「登録で『♯』を押した時点で、月額の5000円が発生する」という。
ガイダンスではそのような案内はなかったというが、業者も引きさがらない。こちらの反論に対して、同じ説明を繰り返す。
ここで、消費者問題の専門家、行政書士エクステージ総合法務事務所の水口結貴先生に聞いた。
水口先生は「相手は、規約を聞いた後に『♯』を押して、と言っていますが、VTRを見た限りでは、すぐに利用したい人は『♯』を、規約を聞く人は『3番』を、と言っている」という点を指摘してくれた。
つまり「規約を聞いていないのに『♯』を押している」、これは「規約の説明をきちんとしていない」ということになる。
こうした指摘を踏まえ、再びワン切り業者と話をしようとしたが「専門家と相談する」という言葉を恐れたのか、電話は切られていた。その後、何度も電話をしたが相手は電話に出なかった。
同じ話を延々と繰り返すワン切り業者。そして…
後日、再びワン切り業者との交渉をすることに。水口結貴行政書士の見解で「錯誤による無効」を主張することにした。
電話をかけると、「あ、今裁判中なんで、後でかけ直します」と言う。しかし、電話はかかってこなかった。翌日も電話をかけるがつながらない。翌日も、その翌日も。この間もデータ保守管理料の1,000円は加算されているのか。
水口結貴行政書士は、この状況をこう推測する。
「こちらの動きに感づいたのかもしれない。彼らは、ちょっと脅せばお金を払う人をターゲットにしているので、様子が違う、と思われたのかも。こういった業者に一度でもお金を払ってしまうと、『コイツはカモだぞ』と思われて、次々にお金を請求されてしまう」と指摘する。
また「身に覚えのない請求が来た時には、とにかく無視するのが一番だ、とも教えてくれた」
因みに中村氏が話を持ち掛けてから1週間以上が経つが、相手業者からの電話は一切ない。